死の外科医の初恋奮闘記【ONE PIECE】

40-麦わらの一味 ページ40

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船長、船長は無事ですか……？

無茶してないかな。
ああ見えて繊細な人だから。


意外と食べ物の好き嫌いがあったり、

自分のベットじゃないと中々寝付けなかったり、

真顔で天然ボケかましちゃったり。


人間離れした超人なようで、ちゃんと人間らしい人。

私の父から、人間らしい心を取り戻させてもらった。

父が命に代えてでも守り抜いた人。



それが、船長。




肩を揺さぶられる感覚がした。
近くで誰かが何かを叫んでいる。
でもそれを聞き取ることができない。




船長、貴方がもし無事なら私は生きていたい。

ワガママかな、生きて今度こそ気持ちを伝えたいんだ。


強くなる生への執着。

意識が段々、はっきりしてくる。





「しっかりして！！今助けるから！」





女性の声が、聞こえた。

彼女が私を呼び起こしてくれた。


腕に何かが打たれる。
このチクッとする鋭い痛みは注射だろうか。

すぐに痺れや息苦しさが消えていく気がした。

ようやく目を開けた。
私を抱きかかえていてくれた子が「もう大丈夫よ！」とウィンクする。


長いオレンジ色の髪を靡かせる、美しい人だった。

周りを見渡せば、仲間達が元気にはしゃいでいる。


状況を把握してホッとしたのか、今更目頭が熱くなる。





「死ぬかと思った……」





ポロポロと止めどなく溢れる液体。
しょっぱいそれは、生の証。

美人な女性は唇を噛み締めて、自分も泣きそうな顔で「間に合ってよかったわ」と言った。





「ありがとうっ……！」





涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔で、ひたすら御礼を言った。

その後傷の手当てまでしてくれて、彼女らには本当に頭が上がらなかった。









私達を助けてくれたのは、最悪の世代で船長のトラファルガー・ローと並び称されるモンキー・D・ルフィのところの麦わらの一味だった。

後日詳しく話を聞けば、船長は麦わらの一味と同盟を組んだのだという。

カイドウを倒すためとナミは言うけど、その作戦はドフラミンゴを討つためのものとしか思えなかった。そっか、船長は彼らを選んだのか。



そして朗報があった。

ドレスローザにあるスマイルの工場を潰せば、船長はゾウに来るのだと。

多分、そんな単純な話じゃない。だって相手はあの悪のカリスマだ。船長だって敵うかどうか。


船長が帰ってくる！と喜ぶクルーの隣で私は静かに物思いに耽っていた。


元気になった私にできるのは、彼の帰りを待つことだけ。






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