35-船長の初恋 ページ35
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自分で言葉にするのと、相手の口から直接聞くのでは重みが全然違う。
船長に、言われてしまった。
ただの私は何の魅力もないと。
分かっていたはずなのに、想像以上にショックが大きかった。
船長に気を遣わせないように無理に表情筋を上げ、「そうでしょうね」と傷ついてるのが悟られないように明るいトーンで言った。
「私には船長に興味を持ってもらえるような魅力、ないですもん」
「……それは違う」
「違くないです。自分でもよく分かってますから」
「おれは、……」
船長は何か考え込む素振りを見せる。
数秒経つと割り切ったように口を開いた。
「……そうだ、お前は言ってやらないと分かんねェ奴だもんな」
そうして静かに言葉を紡ぎ出す。
彼らしくない繊細な話し方に、釘付けになる。
「確かにおれはお前があの実の能力者じゃなかったら素通りしていた。その上コラさんの娘だなんて設定盛られて、自分のモノにするしかないと思った。
______だが、それはきっかけに過ぎなかった」
近寄りがたい見た目からは到底結びつかない優しい声が、胸にじんわりと優しく溶ける。
「Aの芯の強さ、何があっても諦めねェ目、気が強いのかと思えば無邪気に笑ったり、……」
そんなところが、と彼は続ける。
この先の言葉が予想できてしまって、フライングで涙が溢れる。
船長は「
おまけ、と言わんばかりに不意打ちで唇が一瞬だけ重なった。
「好きだ」
頬を包む手はそのままに、至近距離で言う。
息遣いさえもわかってしまう距離で。
このまま抱き締めてしまいたい衝動に駆られた。
そっか、ナギナギの実の能力者としてだけじゃなく、恩人の娘としてだけじゃなく、
船長は私を見ていてくれてたんだ。
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
