17-背中合わせ ページ17
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ロー
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Aが出て行ったのを背中で確認し、本を閉じる。読書どころじゃなかった。ただ机の上に開いていただけの本。本を届けに部屋に来ると言われたから、いつ来てもいいようにと読書中のフリをした。
座ったまま体の向きをずらし、例の本棚を見る。
そこにはしっかりとこの島で買った本が収まっていた。それはAがここに来たという痕跡。
Aはどう思っただろう。
ただのクルーとして見れないと言ったおれを。
流石にここまではっきり言ったら気づいたか？
どう接するべきか悩んで、さっきはつい素っ気ない態度をとってしまった。
あれが正解だったのか否か、その答えは出ない。
きっと一生考えたってでてきやしない。
でも、おれはアイツのことを特別に想ってる。
その事実だけは変わらない。
咄嗟に椅子から腰を上げ、扉に手を伸ばす。開けようとしたが脳の脇に潜んでいた理性がそれを阻止する。行き場の失った手は、頭をわしゃわしゃとかく。
追いかけて、何をしようとした。
考えも無しに衝動的に動くなんてらしくない。
……あ、けど、血迷って自ら海に飛び込んだこともあったな。
あの時は、……そうだ、海に落とされたAを助けようとして無意識に体が動いたんだ。
そのまま扉にもたれ、天井を仰いで自嘲気味に笑う。
おれは、Aのことになると冷静でいられなくなるらしい。
「……無様だな」
たった一人の女にここまで振り回されるとは。
さすがだよ。な、コラさん。
アンタの能力はおれに必要だ。
らしくもなく悩んだって仕方がない。
おれはAを前にするといつも通りでいられなくなるのだから。
考えるのはもう、止めだ。
Aを追いかけなかったおかげで、扉越しに彼女と背中合わせだったことには気づかなかった。
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
