1か月後 ページ5
マンションの外は桜がきれいに咲き誇り、
少しずつ桜の花びらが地に落ちていた。
あれから、変わリ映えのない日々が続いた。
彼氏からのＤ Ｖは、勿論あったし、
大学の早川教授から「留年させてやる」
と脅しを掛けられている。
二人とも殺 してしまいたい。
そして、今日は先ほど話した彼氏とお出掛け‥‥
否、逢引き
彼氏は、誰かに見られる可能性のある場であれば、
暴力を奮ってくることは基本無い。
上面だけはいいというのか‥‥
だけど、部屋に入って来た時は、当たり前のように暴力を振るわれる。
別に、構わない。
アノ部屋にさえ、入らなかったら。
それでいい。
彼氏と手を繋ぎながらマンションを出る。
すると
？「コンビニって何処にあったっけ？」
？「え、分かんない‥‥」
と困っているような男女の声が聞こえた。
マンションの駐車場前にいる男の人と女の人からだろうな。
歳の差がかなりありそうだけど、姉弟かな？
取り敢えず、困ってそうだから‥‥
『大通りに出て右に行くと、１００ｍ位で在りますよ』
と云った。
別に、殺 人欲求があるからって、親切ぐらいする。
普段からいい人に見せておくと疑われにくいから。
？「あ、ありがとうございます。」
と云って、男の人は走っていった。
女の人が軽く頭を下げていたから、
此方も一応、軽い会釈をしておいた。
それから、彼氏と逢引き
今日は確か住民会が合った筈。
今は、アノ部屋で鎖骨付近の湿布を貼り替えている。
『それでね——————』
？〈そうなんだ。楽しそうだね。〉
『‥‥うん。楽しいよ。‥‥でも、沙和が居た方がもっと、っ楽しい、よ』
私の目からは、温かいものが流れている。
此れは、私が作った〈ＡＩ沙和ちゃん〉
私は工学部じゃないけど、寂しさを紛らわせるために、
必死に勉強して作り上げた。
私の声をプログラミングしてて、
私以外の声には反応しないようにした。
ＡＩだって、分かってるけど縋っちゃうんだ。
弱いね。
私って。
『あ！もうすぐ住民会の時間。』
『‥‥行きたくないけど、仕方がないよね』
『行ってきます。沙和』
AI沙和〈いってらっしゃい。瑠唯〉
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：七海 彼方 | 作成日時：2019年9月16日 22時
