6つのあるばむ そのさん

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三宅 side







三「ねえ、俺を選んで？」







そう言った俺に君は泣きそうな顔をする

泣かないで

なんて言える立場じゃないけど

言いたくなるのはエゴだろうか





ずっと考えてた

もうすぐ離れてしまう君と一緒にいる方法

もし、俺を選んでくれたら

そしたらいつまでも一緒に居られると思って


だけど君は他の人を選んでしまうかも

そんな考えが浮かんだのは口にした後で

どうしよ、そうだよな









三「誰か選ばないともう会えない、…それならAは誰を選ぶ？」

「……けんくん、」

三「A……、ごめん。驚かせたよね」

「わたし、…は、選べません、…誰も」








相変わらず俯いてるAは微かな声で

残酷なことを言う


でもそれは俺も同じ

今きっとAにとって残酷なことを言ってる

困らせてる

誰か選べなんて優しいAには難しい









三「A……。」

田「三宅さーん！そろそろ時間ですよー！」

「健くん、行かないと、」

三「…ん！よし、A！俺はAがすき。伝えたかったのはそれだけ！だからそんな顔しないで」

「…ごめん なさい、」

三「謝るな！本当に怒るぞ。」

「…！」

三「なんてね、すきな子に怒るわけないでしょ？」

田「三宅さーん！！行きますよー！」

三「はーい！そんな顔しないで笑ってよ、分かった？」

「…」

三「こら。ちゃんと返事しないと先生に怒られますよ〜！Aさーん分かりましたか？」

「…はい！」







元気よく返事をしたAにばいばいして

車に乗る






三「ごめんごめん、間に合う？」

田「間に合いますけど…、そんな顔で大丈夫ですか？」

三「どんな顔してる？」

田「死にそうな顔？」

三「ははっ、まじかあー。出ちゃってるかあ」

田「死にそうなんですか？」

三「心は死んだかも(笑)」






どうしよ



伝えられるだけでいい。

そう思ってたはずなのに胸が痛いや

アイドルに告られてあんな表情するか、普通


…こんなの断られたのも同然でしょ




ああ、痛い痛い

バカだねえ俺も

こんなに好きなら

こんなに傷つくなら

律儀にAのこと気遣ってないで全部奪っちゃえばいいのに。

そしたらさ。

手に入ったのかな







田「でも、さっきまでの顔より好きですけどね僕は！」

三「お前に言われても嬉しくないよ、」

田「今日飲みにいきませんか、一杯」

三「やだ(笑)」







でも、きっとこれでよかった









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