帰国（2） ページ3
その日の僕はとても機嫌が良かった。
一日前にさあやとデートをしていたからだ。
もう何回目かもわからないが、それでも好きな人と一日中一緒にいられるというのは嬉しい。
だから、その日のハルからの誘いも全く気にしていなかったんだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ハルに誘われて旭のお姉さんが経営しているカフェにやってきた。
ハルが言うには僕に会わせたい人がいるとのことで...。
彼女でもできたなのかな？と思いつつ、二つ返事でオーケーをした。
｢ここ...だよね？｣
そうと思われるカフェの前に着き、ドアを開ける。
カランカランとドアについているものがなる。
｢いらっしゃいませー。｣
多分旭のお姉さんであろう女性が奥で声をかけた。
きょろきょろと店内を見回していると名前を呼ばれた。
｢郁弥。｣
声のした方に目線を向けるとハル達がいた。
ハル、真琴、旭...といつも代わり映えないメンツに一人知らない男が混じっていた。
赤髪で長髪。
少しギザギザしている歯が特徴的だ。
ハル達のいるテーブルへ足を運ぶと、空いているイスに腰を下ろす。
｢...遅かったかな。
ごめん。｣
そう言うと、真琴がふんわりと微笑んで言う。
｢ううん。
今日も練習あったんでしょ？
お疲れさま。｣
やはり真琴は変わっていない。
いつも人のことを気に掛けているところなんて特に。
そんなことを考えていると赤髪の男と目が合った。
どうすれば良いのかわかんなくて何も出来ずにいると真琴がそれに気づいたのか、その男を僕に紹介した。
｢松岡凛って言うんだ。
僕とハルと小学校の頃一緒にリレーを泳いだメンバーの一人だよ。｣
確かに中学生の時、練習試合で会った男子とハル達が凛という人について話していたのを思い出す。
若干人見知りでもある僕は固まっていたが、凛という男はニコッと笑い、話し出す。
｢松岡凛って言うんだ。
今はオーストラリアで水泳やってる。
種目はフリーとバッタだ。｣
人懐っこい笑顔で話しかけられて警戒心が薄れる。
｢...桐嶋郁弥。
霜狼学院大学で泳いでる。
...専門はコンメとブレとフリー。｣
たどたどしい言い方になってしまったが、伝わったらしく、よろしくなと手を差し出される。
どうやら仲良くなれそうだ。
そう判断してよろしくと返し、差しだされた手を握り返す。
これが僕と松岡凛の出会いだった。
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みのり - まいまい☆さん» この作品のアドバイスをしました、見てみて下さいね！辛口が意外と難しくて上手く出来ていないのですが…… (2019年8月14日 14時) (
レス) id: 671f4436ea (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 紅夜の黒猫さん» ありがとうございます。読みやすいとは感激です！ (2019年8月6日 8時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 参加していただきありがとうございます。読んでいてとてもおもしろかったです。内容も頭に入りやすく、とても読みやすかったです (2019年8月4日 12時) (レス) id: 3aef5a37b1 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 江梨もぐさん» ありがとうございます！いつもコメントなどを頂いてすごく励みになっておりました！次作も頑張りますね...！本当にありがとうございました！ (2019年1月11日 6時) (レス) id: c479711da3 (このIDを非表示/違反報告)
江梨もぐ - こんばんは。ずっと陰ながら応援させていただいておりましたが、ついに最終回とは… 次作も楽しみにしてます！これから応援してます、頑張ってください！ (2019年1月10日 23時) (レス) id: 18af6740d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいまい☆ | 作成日時：2018年12月27日 15時
