レインボープール【2】

幸せ（2） ページ19

｢ねぇさあや、返事は？｣


キスをした後ずいっと顔を近づけてさあやに聞く。

するとさあやはあわあわと視線を動かすと、下をむいた。

俯くのはさあやが照れていたり恥ずかしがっていたりするときのクセだ。

これを見るとどうしてもいじめたくなってしまう。


｢え、と...｣


真っ赤な顔で俯くさあやが愛おしく感じる。

こんなに可愛い生き物がこの世には存在していたのか。


｢さあや...お願い。｣


さあやを上目遣いで顔を覗き込むと更に顔を真っ赤にさせる。

本当に可愛いやつだ。


｢いい...よ。｣


小さな声でさあやが呟くように言う。

僕はそれを少しからかってみせる。


｢ねぇ、聞こえないよ、さあや。｣


そう言うとぱっと顔を上げてぷくーっと頬を膨らませる。

そしてやけくそになったように大きな声で言う。


｢郁弥が大好きだから、一緒に住みたいよっ！｣


想像をはるかにこえた答えに絶句する。

だんだんと顔が熱くなってきて赤面しているのがわかる。

それがさあやにもわかったのかここぞとばかりにからかってくる。


｢あれー？

郁弥、顔真っ赤だよーー？？｣






もうほんとにこの子にはかなわないな。

片思い（1）→←幸せ（1）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す