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山本の姿が完全に見えなくなっても、Aは動こうとしなかった｡大人しくベットにちょこんと座っている｡
ところがシャワーの音が聞こえた途端、大慌てでリュックをひっくり返した｡
ない｡ない｡ない｡
服のポケットやリュックの底、隅々まで探す｡しかしリングは見つからない｡
テーブルの下も覗きこんだ｡ベットのすきまにも手を突っ込んだ｡
やっぱりリングはない｡
Aはもう思いつく限り、部屋中を探し尽くしてしまった｡
｢どこ……｣
半分くらい泣きそうになりながら、Aは床にペタンと座りこむ｡どうすればいいか、もう分からなかった｡
……失くしちゃったなんて言ったら、さすがのツナさんでも怒るだろうな｡
｢うう……｣
もはや泣きべそをかいて、Aはうつむく｡だがツナのことを思い浮かべたことで、いくつか記憶がよみがえってきた｡
｢会議室に落としたのかも｣
Aが最後にリングをつけたのは会議に出席した時だ｡それ以降触った覚えはない｡つまりリングがあるとしたら、会議室｡
まだシャワーの音は聞こえてくる｡山本はもうしばらく出てこないだろう｡
Aは散らかした服をベットのすみっこの方に寄せてから、靴下を履く｡靴をしっかりと履いてドアノブに手を伸ばしかけた、その時｡
｢どこ行くんだ?｣
Aはビクッと体を震わせて、慌ててドアノブから手を遠ざけた｡
恐る恐る振り向くと、そこにはさっきまで浴室にいたはずの山本が立っていたのである｡彼はすぐ後ろにいたのに、Aは声をかけられるまでまったく気配を感じることができなかった｡
｢や、山本さん?何で｣
｢どこ、行くんだ?｣
一度目よりも圧がかかったような尋ね方に、Aは震え上がる｡いつもの優しい山本とはどこか違っていることが、彼女にもしっかり伝わってきた｡
｢えっと……｣
雰囲気が違う山本を、ビビりながらAはそっと見上げた｡口元は弧を描いているのに、瞳の奥は笑っていない｡ぶっちゃけ見慣れていない者なら相当怖がるだろう｡
もちろん初めてその表情を見たAも例外ではなく、うっすらと涙を浮かべていた｡
｢ご、ごめ、ごめんなさいいい……｣
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futureblue�鏡�(プロフ) - ちささん» 初めまして｡コメントありがとうございます!ツナにはかなりお世話になっています,ツッコミにも親バカにも回ってくれるので｡素敵と言っていただけて嬉しい限りです｡できるだけ早いペースでの更新頑張ります!ちさ様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月17日 19時) (
レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - まくすうぇるさん» 初めまして｡コメントありがとうございます!そうですね,大人びているところがあるとはいえまだ8歳児なのでそんたくできないお年頃です(笑)多分順位としたらツナ>>>ヒバード>骸ってところですかね｡ (2019年12月17日 19時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。作中の綱吉と同じ気持ちで毎回読ませて頂いております← すごく素敵な作品でもう更新が楽しみで楽しみで仕方がないです！お体に気を付けて無理せず更新頑張ってください！ (2019年12月16日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 主人公の関心 骸＜ヒバード ぷぷっ・・・www (2019年12月16日 19時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 成田優吾さん» 初めまして｡コメントありがとうございます!何回も読んでいただけてるなんて嬉しさの極みです｡なかなか読者の方の声を聞くことができないので、面白いと言ってもらえて幸せです｡早いペースで更新できるよう頑張ります!成田優吾様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月9日 18時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年11月22日 16時
