かくしごと ③ ーKEIー (ページ9)

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ｓｅｃｒｅｔ１０７ページ9

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日焼け対策もばっちりして、

砂浜にレジャーシートを敷いてさっそく海に入ろうと立ち上がった時、

　衝撃の事実が待っていた

「慧さん、私泳げないの…」

『え、そうなの？』

「人生で一回も泳げたことがなくって…
　浮き輪買ってもいい？」

両親共働きで忙しかったって言ってたし、スイミングスクールとか行く時間もないよな

　申し訳なさそうにしてるAに逆に俺が申し訳なくなってきた

『一緒に買いに行こうか』

「慧さん怒らない？」

『なんで泳げないだけで怒るのさー

Aが泳げないってすっごい可愛いんだけど』

「でも慧さんバリバリに泳ぐって聞いたよ？」

　何その情報！？

確かにスキューバダイビングとかも好きだし泳ぐことは好きだけど

「修学旅行の時、男子たちと慧さんが競争してるの見たって
　女の子たちが…」

『あぁ、確かにやったな…

でも今日は俺とAのデートだからがっつり泳ぐことなんてしないよ』

『だから全然平気だからね』

安心したように笑った彼女の手を引いて、

浮き輪がたくさんつるされている海の家まできた

『A、ペンギンのあるよ！」

「え、可愛い！！これにする！！」

ペンギン好きのAさすがの即決

ペンギン泳ぐの上手だし、私も泳げそうな気がする～って楽しそうなAが可愛くてたまらない

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波打ち際まで来て二人で顔を合わせる

『せーので入ろうね』

《せ～の！！》

温かい日差しのおかげで温まった海水
すんなりと入ることができた

『まだここ深くないからおいで
　水は怖くない？』

「大丈夫！あ、足届かないかも」

手を取り、一気に引き寄せる

浮き輪に手をかけて向かい合わせにすると、楽しそうな笑顔が見えた

「楽しいね」

至近距離で彼女から水しぶきが飛んでくる

『うわっ、やったな～』

お返しで水しぶきをかけると、
今度はバタ足で水をかけてくるからやられまいと海に潜る

数秒して、

『ばぁっ！』と飛び掛かるとペチペチ素肌を叩かれる

洋服通してないから痛みが直に伝わってじんわり赤くなっていく

「急にいなくなるからびっくりした」

『俺の勝ちだね』

「泳げるからってずるだよ」

ばしゃっと不意打ちをくらって顔を歪めると

「私の勝ちだね～」ってイジワルに笑った