かくしごと ③ ーKEIー (ページ14)

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＿暑さがじわじわと引き、少し肌寒くなってきたこの頃

学校ではバタバタと忙しい日々が続いていた

もうすぐで文化祭が開催されるということで、ここ最近は準備ばかり

生徒だけでなく担任も文化祭の役割が振り分けられており、毎日学校を動き回っている

　だから時間ができたらすぐに行っていた図書室に何日も行けておらず、

　 A不足

やっぱり毎日メッセージ上のやり取りだけじゃ物足りない…
　実際に触れてその温かさを感じたい

疲れすぎて妄想の中でAを思い浮かべていた時、

薮「伊野尾先生！」

『うわぁ！！薮先生！！

話しかけるなら正面からにしてくださいよ…』

突然背後から声がしたと思ったら、

笑いながらぬるりと出てくる

薮「文化祭の予算のことでトラブルが起きたみたいで

俺一人じゃ寂しいから伊野尾先生も一緒に来てくださいよ～」

いや、絶対面倒くさいから俺にやらせようとしてるんだ
薮先生のずる賢さに何度引っかかってきたか

薮「伊野尾～頼むよ～相談乗ってやってるじゃんか」

『はいはい、一応私も係なんでね

勘違いしないでくださいよ？』

＿数時間後

何時間パソコンを眺めていたのか、

目がカッピカピで窓の外を見ると視界がぼんやりとぼやけて見える

計算も終わったし、気晴らしに校内散策でもしよう

そういえば、

図書室開いてるのかな…？

階段を降りて長い廊下を右に曲がると、

灯りがついてるのが見えた

ガサゴソと中から物音が聞こえて、

もしかしたら生徒がいるのかもしれないと恐る恐る覗く

もう閉館時間は過ぎてるはずなんだけど…

カウンターでパソコンをいじってるA

バレないように後ろの扉から入って、カウンターの下まで来た

集中しているからか全然気づく様子もない

勢いよく飛びあがって

『わぁ！！！！』

と、大声で叫ぶと

恐怖で声がでないってこういうことなのか…って模範解答のようなリアクション

でも俺って分かった瞬間

満面の笑みが見えた

「慧さん！」