もう弟ではない みくさんリク ワムウ ページ40
恋仲のワムウは、私より少し年下。
カーズとワムウの丁度真ん中くらいの歳の私は双方と兄弟のように育った。
その弟のように思っていたワムウが私に恋慕の情を抱いていたと知ったときは驚いた。
でも…とても嬉しかった。
「A、こちらへ」
満月の美しい夜、岩の上に座ったワムウが己の膝を叩く。
私は少し戸惑いながらその筋肉質な足へ腰を下ろした。
この足もあの頃からは想像もつかない。
「…今日は、月が綺麗だ」
私の腰に腕をまわした彼が低い溜息をついた。
そしてその発言に私は今少なからず驚いた。
「ワムウあなた…そんなこと言えたのね」
「む？」
「月とか、そういうものを愛でるようなことが」
茶化すように笑ってやれば、彼はぷいっとそっぽを向いてしまう。
「貴女とは、あまりに長い時間を共にした。その考え方に俺も似てきたのかもしれぬ」
「そう…そうね。こうして睦むのも、今夜で何度目かしら」
不器用すぎる愛の告白から、幾夜経ったのか。
かなりの時間を二人で過ごしたが、こうして彼が私を抱きしめるようになったのはわりと最近の話。
私たちが距離を縮めるのは本当にゆっくりだったと思う。
「ワムウにとって、私は…邪魔な存在だとばかり思っていたわ」
「何故」
「あなたは己の道を極めることが大事でしょう？だから私に現を抜かす暇なんてないって」
「A」
「んっ」
自嘲的に笑ってみせたら、ふいに唇を重ねられた。
意外と長い睫毛に、端正な顔。逃がすまいとうなじを包む大きな手。
名残惜しそうに離れる唇が、ゆるりと弧を描く。
「全てを邪魔に思うことも、無いわけではなかった。だが…今は別だ」
「……」
「今こうして愛する者がいる。A…俺の力は貴女をまもるために使いたいのだ」
青い光に照らされた瞳は射抜かれそうなほどにまっすぐだ。
ドキドキと鼓動が煩くなるのを感じ、私は逞しい胸板に額を寄せた。
「A…？」
「出会った頃より随分…生意気言うようになったのね」
「それもきっと…貴女に似たのだ」
「……ばか」
「…愛している」
腰に響く低い声が、耳元でそう囁く。
ぎゅう、と力強く私の肩を抱く腕の温もりに包まれてはもう何も言えない。
弟からいつの間にか立派な恋人に成長していた彼に、私は日々惚れ直している。
妖艶な男と、哀れな女 コロラチュラさんリク カーズ→←昨夜の彼と、今日の君 フラジールさんリク ドッピオ＆ディアボロ取り合い
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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (
レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか？ (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ！ (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコダイル | 作成日時：2018年9月17日 21時
