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優しい眠りへと 美琴さんリク ブラックモア ページ35

「スイませェん…寝癖がついています、Aさん」

「んー…?」

「どうぞ、ここに座って」


小さな仕立て屋の、小さな作業場。

昨日の夜更かしがたたり半開きの目で頭を掻く私に、ブラックモアは優しくそう言った。

それまでソファに座り、黙って私の作業を見ていた彼が急に言うから驚いた。

今まで座っていたそこを立つ彼。

私は緩慢な動作で導かれるようにそこに座る。


「眠い時に作業するのはいけませんよ。手に針が刺さったらどうするのです」

「うー、ごめんなさい…でも今作ってる一着は明日にはお渡しするものだから…」


私みたいな小娘が営む小さな仕立て屋でも、贔屓にしてくれる人がいる。

だからその人たちには一刻も早く素敵な服をお届けしたい。


「それでも、一番大事なのは貴女の身体です。ご自愛なさい」

「うん、ありがとう」

「少し寝ましょう?一時間程もしたら起こしますから」

「そうしようかな」


そう言ってソファの肘掛に頭を預けようとした…そしたら。


「こちらでは駄目ですか?」


私の肩を引き寄せたブラックモアが、遠慮がちに自分の肩を指さした。

普段奥手で大人しい彼のそのお誘い。

私はもう嬉しくなってしまって、秒速でその肩に頭を擦り付けた。


「ありがとう、ブラックモア!」

「ん…いえ、お気になさらず」

「ブラックモアは優しいね」


少し驚いた様子だったけどすぐ私の頭を撫でてくれる彼は本当に優しい。

温かな体温と優しい大きな手が私を眠りに誘う。


一時間なんて言わないで、ずっとこうしていられたらいいのにな。


そんな夢みたいなことを思いながら、夢を見るべく私は目を閉じた。


「おやすみなさい、A」


眠りに落ちる寸前、柔らかな声は睡眠をより優しいものにしてくれた。

ドロドロ メローネ大好き少女さんリク メローネ→←どこが好き? 腐れホットドッグ(山葵増量中)さんリク ラバーソール 甘々



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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか? (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ! (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒヨコダイル | 作成日時:2018年9月17日 21時

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