【ジョジョの奇妙な冒険】アク役◇短編集

魅せる表情　あいすすとろべりーさんリク　リゾット・ネエロ(※激甘) ページ27

突然だが、私は恋人であるリゾットが大好きだ。

具体的に挙げるならその表情が好き。

ふとした時に見せる笑顔も、意外とだらしない寝顔も好き。

怒ってる顔だって、くだらない事では決して怒らない彼の真剣な表情だと思えば惚れてしまうのだ。

そして中でも好きなのが……


「ッ……」


古いベッドの上、二人で見つめ合う今この瞬間の顔。

いつもの穏やかなものとは違う、熱くて、余裕が無くて、獣のような表情。

熱く熱く私を駆り立てるその表情がたまらなく愛おしい。

私だけが見ることを許された特別中の特別だ。


「何を、考えているッ…」

「あ、ぁ、ッ〜〜〜！」


ずん、と熱い欲が奥を抉るように突く。

私は声にもできず逃がすことのできない衝撃と快楽にたまらず仰け反った。

だめ、もっとリゾットの顔を見ていたい。その神秘的な真っ黒の目と見つめあっていたいのだ。

なんとか首を戻して、彼と目を合わせる。


「くだらないことを、考えていたのか…？」

「ん、そんなわけ、ない……ふあッ」

「じゃあどうした、そんな上の空で…！」


燃える瞳、上気した頬、形の良い唇から覗く赤い舌。

情熱と欲と愛の潜む赤。


その赤だけで胸から腰までゾクリと震えが走って、私を快楽の頂点へ追い詰める。


「リゾットのことしか、考えてないっ」

「……！」


震える腕を太い首に絡めればリゾットも身体をぶるりと震わせ満悦の表情をつくる。

満足げな彼の瞳はそれだけで私を快楽の頂点へ追い上げていく。


「ッ……A…Aッ！」

「ん、んッ〜！！」


動きを早める彼が熱っぽい声で私の名を呼ぶ。

私も涙で歪んだ視界で真っ黒な目を見つめる。

どちらからともなく唇を重ねて深く深くキスをする。


それから間もなくして私の肩が大きく跳ねて、リゾットも一瞬遅れて体を震わせる。

お互いきつく抱き合って甘すぎる衝撃をやり過ごした。

やがて欲を吐き出しきった彼がくたりと私の上にもたれかかる。


お互い、熱くなりすぎた。

冷めていく熱の中、大きくて逞しい背中を力なく撫でていると、


「A」


先程の熱は冷め、優しい声で名を呼ばれる。


「んー……？」

「…Ti amo.」


この上なく甘く愛しげに、彼が囁く。

首を傾けてその顔を見れば、この世の何より美しくて優しい微笑みがあった。


私もそっと同じ言葉を返して触れるだけのキスをする。


今夜もまた、たくさんの表情に惚れ直してしまった。

今夜もまた、たくさん魅せられてしまった。

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