歪んだ十字架２ (ページ41)

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辰哉side

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ゆっくりと目を開けるラウール。

いつもと違う状況に、

きょろきょろと落ち着かない。

　

　

ラウ「あれ・・・なんで？」

　
　

なんで自分がこんなところにいるのか分からないみたい。

　

　

辰哉「ラウ血吐いたんだよ。も～俺らがびっくりしたよ(笑)」

　

　

なんて、冗談まじりで笑いながら言ったつもりでも

ラウールは固まり、真剣顔。

　

終いには、

　

ラウ「迷惑かけてごめんなさい・・・。」

辰哉「・・・・・・。」

ラウ「ごめっなっ・・さぃ。」

　

ポロポロと涙を流す始末。

　

　

ラウールの表情を見たときに分かった。

こうして、一緒にいる俺の存在すらも、

怯えてしまう対象なんだなって。

　

　

辰哉「ラウの体がさ、今は心配だよ。」

ラウ「えっ・・・？」

　

てっきり怒られると思っていたのか・・・

ラウールの驚いた顔と目を合わせる。

　

辰哉「こんなになるまで、いっぱい我慢したね。気が付けなくてごめんね。」

細い体を引き寄せて、そっと抱きしめた。

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