歪んだ十字架２ (ページ38)

今日:10 hit、昨日:20 hit、合計:280,205 hit

―８４― ページ38

蓮side

・

真夜中の病院って真っ暗でだいぶ怖いイメージだったけど。

実際には防犯のためか、柔らかなオレンジ色のライトが点灯していた。

・

診断結果を聞くからってことで、長椅子に座って待つこと２０分。

辰にいがどっと疲れた表情で診察室から出てきた。

これじゃ、誰が具合悪いんだかわかんないんですけど(笑)

　

　

辰にいが聞いたお医者さんからの話を聞きながら、ラウールのいる病室へ向かう。

　

蓮「そんなに・・・酷かったんだ。」

辰哉「うん・・・。しばらく入院しないといけないレベルだって。」

蓮「そっか・・・。」

病棟と書かれた方向へ進み、エレベーターの上ボタンを押す。

あたりを見渡すけど、さすがに深夜だから誰もいない。

　

ラウールの病室に辿り着き、そっとスライド式の扉を開ける。

　

　

蓮「ラウ・・・。」

　

酸素マスクを着けて、静かに眠るラウールの姿。

顔を見るだけで、涙が出るほどほっとしている自分がいた。

　

でも・・・

　

よくよく見ると、

青白い顔に痩せた体。

身長は昔よりだいぶ伸びたのに。

一目で病人ってわかる。

なんだかだいぶ小さく見えてしまった。

　

　

　

辰哉「ごめん・・・。」

・