血の通わない人形２ (ページ33)

今日:40 hit、昨日:28 hit、合計:390,507 hit

―８３― ページ33

辰哉side

・

“まえのおうちでやってました”

“おしおきわるいこなぐっていいです”

の文字。

なんだか、殴られるのを待っているような・・・。

絶対にお仕置きなんかしちゃいけない。

辰哉「ラウ？どんなにラウールが悪いことしても、殴ったり、お仕置きしたりするのはやっちゃダメなこと。辰にいはそんなことしない。もちろん、お兄ちゃんたちみんなしないよ。」

どうして・・・？という顔をしているラウール。

きっと殴られて過ごした日々が当たり前すぎて、逆に殴られない生活に違和感があるのかもしれない。

辰哉「でも、もしラウがお腹が空いていたら言ってほしいな。今日みたいにこうやって作ってあげられるからね。」

にっこりと微笑みかける。

ポロポロと涙を流しながら、うんうんと頷く。

・

・

・

それからは、冷蔵庫やゴミをあさることはなくなった。

お腹が空いたからの行動ではなくて、昔やっていたことを思い出して、行動したっていうのもあるんだと思う。

・

この出来事から、なんとなく、ラウールが頼ってくれてる気がする。

ラウ「た・・っに・・あ・・の・・ね？」

辰哉「うん。なあに？」

どんなことがあっても、絶対にラウールを捨てたりしない。

俺らは愛情をもって見守っているからね。

・