血の通わない人形 (ページ33)

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辰哉side

亮平からの連絡で、ラウールの目が覚めたことについて、知れ渡っていたようで。

帰宅すると、みんな目を赤く腫らしていた。

涼太「お帰り。待ってたよ。」

翔太「目覚めたんだってね。」

いや～良かったね。

なんて話す中、亮平の表情が何となく暗い。

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そんなこと考えていると、

後ろから誰かが抱き着く。

蓮「辰にい・・・良かった。ほんとに良かったっ・・・。」

振り返ると、ラウールの目覚めを誰よりも待ち望んでいた蓮の姿だった。

涙が止まらない蓮。

辰哉「そうだね。俺の買った花のおかげじゃない？(笑)」

笑いに包まれる。

涼太「今日はね、お祝いも兼ねて・・・、すき焼きだよ。」

歓声が上がる。

みんなですき焼きを囲みながら今日のことを話す。

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みんながラウールのことを話す中で、

やっぱり顔が曇っている亮平。

康二「亮にいなんかあったー？難しい顔になってるで。」

亮平「うん？何でもないよ。食べよ食べよ。」

笑顔で箸を進めるその姿を見つつ、自分も箸を進める。

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今は、ただラウールが目覚めたことが嬉しくて、

その先のことなんて

何も考えられなかった。

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