血の通わない人形 (ページ13)

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辰哉side

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警察「戸籍上母親である方がいらっしゃらない以上、血縁関係のあるお兄さん方に説明をさせていただきます。」

警察の人が、手帳をめくり、額をかく。

ラウールがどういう環境で過ごしてきたか・・・。

・・・気になる。

だが・・・それと同時に聞きたくない気持ちの方が大きい。

悲惨なのは目に見えている。

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警察「今回の発覚したのは、近所の人からの通報でした。ベランダに放り出されている子供がいるということで。我々も以前からマークしていたお宅だったんです。警察が何回か尋ねたり、児童相談所の職員がうかがったりしていたんですけど、お母様には会えずでしてね・・・。」

その時は、ラウールには会えなかったらしい。

小学校低学年の時は、学校の先生が痣のことで話を聞いても、

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「転んじゃった。」

「もう痛くない。」

「大丈夫です。」

の一点張り。

長期に休んで、家に行っても会うことはできず。

また、登校する頃には痣もだいたい治っていることが多く、確実な証拠というものが見つからないままだった。

小学校高学年になると休みが続き、ついには、登校しなくなってしまったそうだ。

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