歪んだ十字架８ (ページ9)

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涼太side

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ホントに。

何あれ？

さようならってどういうこと？

なんかの冗談？

まさかのドッキリ？

それとも・・・

“照にいと翔太にいの言う通りだと思ったよ”って書いたってことは、

２人となんかあったのか・・・。

　

　

とにかく必死にラウールの姿を探すけれども、

１階のどこにも見当たらない。

今回もトイレに？ってちょっと思ったけど。

俺の考えは外れだった。

　

　

最後に開けた洗面所。

明かりがついている浴室が見えて、

シャーとシャワーの音がかすかに聞こえる。

　

　

　

ドク

　

ドク

　

自分の心臓が嫌というほど大きく聞こえる。

こういう時に感じる、

嫌な予感。

　

直感でラウールがここに居るんだろうなって

何となくの勘だけど、分かってしまう。

なんだか妙に緊張して、浴槽の扉を開けることができない。

そこへ、どたどたと１階に下りてくる辰哉。

　
　

　

涼太「ねぇ辰哉・・・。」

　
辰哉「いた？２階にはいなかったんだ・・・けど。」

　

そう言うと、辰哉も目の前の扉の

嫌な予感に気づいたのかもしれない。

　

　

涼太「お湯の音するよね・・・？」

　

辰哉「うん・・・。」

俺らは意を決して、

扉を開けた。

　

　

大概こういう時の嫌な予感は、

的中する。

・