歪んだ十字架８ (ページ21)

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蓮side

　

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辰哉「実はさこれ・・・。」

そう言われて辰にいから出されたラウールの遺書。

人生で遺書を見るなんて、

それも俺より年下のラウールの遺書を読むことになるなんて。

思ってもみなかった。

　

ラウールのきれいな字で書かれた文章からは悲しい現実が溢れてる。

泣きながら書いたのかな？

所々、滲んでいるところがある。

その遺書を読んだ瞬間に全員の顔がこわばる。

　

そして、

俺は、照にいと翔にいを睨みつけた。

　

蓮「照にいや翔太にいの言う通りだと思ったよって何？どういうこと？」

照「ごめん・・・。」

涼太「ごめんって何？何がごめんなの？」

辰哉「ごめんで済む問題じゃないでしょ。」

　

みんなの視線に耐えかねたのか、

いつも威勢のいい翔にいからは想像できないほどのか細い声で話し始めた。

　

　

翔太「俺がさ見たんだよ。蓮からお金もらってたところ。それを見て、ラウールがお金をたかってたと思って・・・実は全然反省してないんじゃないかって思って・・・責めた。」

康二「なんやそれ・・・。」

翔太「言った時、たまたまラウしかいなくて。そんなこと最近なかったから。勢い余って。また、あいつ何かするんじゃないかって思って言った。それがきっかけで、照も・・・」

そう言うと、助けを求めるように照にいの方を向く。

　

照「正直あんまり覚えてないけど・・・でも酔ってたから言ったんだと思う。遺書にあること。」

嘘でしょ？

生まれてこなければよかったなんて、

そんなひどいこと言ったの？

照「俺の中でとどめておこうって思ってたことが・・・多分抑えられなかったんだと思う。ごめん・・・。」

何それ。

何だよそれ。

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