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〜貴方side〜
下に降りると、長い黒髪をひとつに高くまとめ、カチューシャのように木の葉の額当てをつける少女がじっとこちらを見つめていた。
貴(…今、睨まれた？)
不意に感じた違和感に首を傾げていると、彼女は「乙桐桔梗です」と名乗りこちらにすっと手を差し出してくる。
貴「永月唯です。よろしくお願いします」
こちらも名乗り手を握ると、途端に桔梗さんはぎりぎりと強く私の手を握りしめてボソリと小声で呟いた。
乙「貴方の秘密、知ってるのよ？」
貴「！！(こやつ…一体何者？)」
警戒心を露わにして彼女を見つめる。
そんな私の様子を見て満足したのかクスクスと嘲笑した後にすんなりと私の手を離した。
ﾊﾔ「ｺﾞﾎﾝｯえー、では両者準備はいいですか？………始め！」
その声を合図にばっとお互い距離をとった。
貴(私の正体を知っているのか…？それともブラフ？どっちにしろ動揺させようとしてるのに変わりはない…相手はどんな術を使うかわからないのに対し私は素手のみ…不利な状況すぎる！)
冷静さを失わないように相手の出方を見る。
桔梗さんは懐から巻物を取り出すと口寄せをして一振の刀を召喚した。
貴(私と同じ戦闘スタイル…！？くそ、やりづらい！)
乙「ねぇ？貴方もさっさと刀出しなさいよ」
貴「生憎、少しばかり事情がありまして」
乙「『事情』…？そんな余裕ぶっこいてると、後で後悔するわよ！！」
彼女はそう言うと、一気に私との距離を詰めてきた。
そして大振りに刀を振り下ろす。
乙「土遁・烈土転掌！」
ドオォンと地響きが響く。
術により地面には亀裂が入り、更に刀の衝撃波で砂埃が舞う。
貴(足場も視界も悪いがそれはあちらも同様！)
目くらまし用にと砂を握りしめ、気配を探る。
乙「もらったぁ！！」
貴「！」
彼女が背後から現れたのと同時に持っていた砂を顔目がけて投げる。
乙「なっ！目がっ」
もろに砂を食らった桔梗さんは顔を抑えて慌てて距離を置こうとそこから退くがそうは問屋が卸さない。
ばっと懐に潜り込むと、がら空きの腹部に渾身の蹴りを入れた。
ドゴッ
人体から出てはいけない嫌な音が響き桔梗さんが転がる。
乙「ゲホッゲホゲホッゴフッ」
ボタボタと口から血が溢れ出したのを見下ろして告げる。
貴「腹部打撲に内臓損傷…恐らくまともに呼吸するのも辛いでしょう？…棄権しますか？」
乙「馬鹿にするんじゃないわよっゲホッ」
乙(くそっくそくそくそ！！)
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おふ豚(プロフ) - シルバさん» ありがとうございます！そう仰って下さると何よりも励みになります！シルバさんの期待に応えれるよう、これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年5月22日 20時) (
レス) id: f11330c0ee (このIDを非表示/違反報告)
シルバ(プロフ) - はじめまして。シルバといいます。とても素敵な作品ですね！読んでいてとても面白く、続きが気になります。頑張ってください！ (2019年5月21日 23時) (レス) id: 54f5825f9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おふ豚 | 作成日時：2019年5月12日 22時
