月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ6)

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そんな時、イルカ先生が「席に着けー！」と声をかけながら教室に入ってきた。

イ「では、これより卒業試験を始める！呼ばれた者は隣の教室に来るように。尚、課題は分身の術とする！」

貴(ああよかった、得意な術だ！)

張り詰めていた糸が緩むように緊張が解ける。

いやいや、油断は禁物だぞ。集中、集中・・・。

イ「次！永月唯！」

気がついたら名前を呼ばれた。

よし、と意気込むと隣の教室に向かう。

教室には試験監督のイルカ先生とミズキ先生が並んで座っていて、机の上に真新しい額当てが並んでいた。

貴「分身の術！」

ボンッ

5人ほど分身を出すと、イルカ先生は満足げに笑って「合格！」と告げた。

貴(これで、ようやく下忍に・・・！)

とりあえず夢への一歩を踏み出せたことにフッと笑みがこぼれる。

貴(いかん、口元が緩んでしまうがこれじゃただの気味の悪いやつではないか！)

慌てて表情を取り繕うと、ミズキ先生が額当てを差し出した。

ミ「はい、木の葉の額当て」

貴「ありがとうございます」

貴(・・・ん？)

何か胸に突っかかった気分がして、じっとミズキ先生の顔を見つめる。

ミ「・・・？何か、僕の顔についてる？」

貴「いえ、そういう訳ではありませんが。・・・先生、なんだかいつもと様子違いませんか？」

ミ「！！？・・・・・・いや、そんなことないと思うけど？」(こいつ・・・、まさかバレて？いや、ただのガキに分かるはずがない)

貴「そう、ですよね。申し訳ありません。出過ぎた真似をしてしまい・・・」

ミ「・・・大丈夫だよ。合格おめでとう」

貴「ありがとうございます。・・・イルカ先生も、お世話になりました」

イ「ああ。これからも頑張れよ」

その言葉を聞いて緩やかに微笑むと、一礼して教室から去っていった。