月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ33)

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～第三者視点～

じり・・・と間合いを詰める。

互いが互いの動きを観察し、正しく一触即発だ。

木の葉が1枚風に舞い、ひらひらと落ちる。

それを皮切りに、両者がバッと動き出した。

貴「ハッ」

唯がクナイをいくつかカカシに向かって投げるが、それらはなんなく躱されてしまう。

カ「そんな程度か？」

貴「さあっ？」

カカシが煽るが、唯はニヤリと不敵に笑うだけだった。

それから何度かクナイを投げるものの、全て躱されてしまった。

貴(流石に、視線を逸らしたりなんてしないか・・・。警戒しているのか、クナイに触れようとすらしてくれない)

諦めた唯が今度は素早く印を結ぶ。

貴「水遁・霧隠れの術！」

視界が悪くなり始めると、唯はカカシの前から気配を消した。

カ(大分視界が悪いな・・・。さて、どこから来るか)

神経を尖らし、微かな気配も逃さないよう集中する。

カ「・・・！そこか！」

ガシッ

貴「うっ！！」

奇襲を仕掛けようとした唯の腕を掴み、そのまま背負い投げる。

受身を取らせる隙を与えずに、すぐさま馬乗りになり、首元にクナイを添える。

貴「負けました・・・なーんてね」

カ「！？」

唯はカカシが退かないように、ぐっと腕を自分の方へ引き込むと、指を軽く動かす。

すると、先程地面に落ちたはずのクナイが1本、カカシたちに向かって勢いよく戻ってくる。

カ(さっき投げたクナイのどれかに糸を張っていたのか！？・・・まずい！身動きが！)

クナイが鈴に触れる直前。

ジリリリリリリリリリッ

アラームがけたたましく森に響いた。