月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ26)

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～貴女side～

カ「やあ諸君、おはよう」

ナルト・サクラ
「「遅い！！」」

貴「アハハ・・・」

カ「いやー、黒猫に横切られちゃってな」

次の日、先生に言われた通りの集合時間に全員集まりずっと待っていたのだが、何時になっても当の本人が現れず、結局現れたのは数時間後。

しかも反省の色なし。

貴(こんなんだったら、朝ごはんちゃんと食べてくればよかった)

空腹に呻く腹を摩りながら後悔する。

カ「よし！12時セットOK！」

場所は変わり演習場。

先生はマルタが並んである場所で、時計のアラームをセットしてそう言った。

カ「ここに鈴が3つある。・・・これをオレから昼までに奪い取るのが課題だ」

カ「もし昼までにオレからスズを奪えなかった奴は昼めしぬき！あの丸太に縛りつけた上に目の前でオレが弁当を食うから」

貴(全員朝ごはんを抜けって、そういう事だったのか・・・。まんまと嵌められた！)

この先生は朝ごはんを抜けと言い、今のように嵌めてきたのだ。

何でもかんでも言うことを聞いていたらいい、という訳でもないようだ。

貴(この課題もただそのまま鈴を奪え、なんてことなさそうだな・・・)

カ「スズは1人1つでいい。3つしかないから・・・必然的に1人丸太行きになる。・・・で！スズを取れない奴は任務失敗ってことで失格だ！つまり、この中で最低でも1人は学校へ戻ってもらうことになるわけだ」

ナルト・サクラ・サスケ・貴
「「「「！！」」」」

4人に緊張が走る。

貴(なるほど、『鈴は3つ』に『1人は必ず忍者学校戻り』・・・。そうなると仲間同士で早い者勝ちと争わなければならない)

貴(・・・なんて、そう私たちに思わせたいのが先生の思惑なのだろう。これは罠だ！)

さっきのことから考えて、そのまま仲間割れを始めてしまっては恐らくそれこそ本末転倒なのだろう。

貴(この課題に必要最低条件は、『チームプレイ』！)

他の3人は気づいているのか。

ちらりと顔を見るが、3人とも顔が強ばっており、多分気づいていなさそうだ。

貴(答えを言っても、それは本人のためにならないし・・・、気づいて貰えるよう、後でさり気なく誘ってみるか)