月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ22)

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～貴女side～

貴「！！！！」

目の前の気配に、咄嗟に飛び起きて反射的に手で薙ぎ払う。

パシンッ

貴「はぁっはぁっ・・・はあっ」

乱れた息を必死に整えて気配の元を見ると、先程昼休みに出会った先生が驚いた様子でこちらを見つめている。

先生の手は、恐らく私が叩いてしまったせいで赤くなっていた。

前の方では、ナルト達が私と先生を驚いた様子で凝視しているのが見える。

しかし、今の私には気にする余裕など無かった。

貴(夢・・・か。そうだよな、篝がここにいるはずがない・・・)

あれは篝ではないはずなのに、夢の中の彼の憎悪のような、狂気のような笑みが頭から離れてくれない。

寝ていただけなのに疲労困憊になり、手で顔を覆う。

嫌な夢を見たと溜息をついたとき。

ドスッ

カ「こら」

貴「いっ！！！」

突然頭に思い切りチョップをされて、痛みのあまり涙目になる。

カ「寝ぼけるのもいい加減にしなさい。ったくもー」

貴「あ・・・す、すみませんでした」

謝るのを忘れていた。

咄嗟とはいえ、人を叩いてしまったというのに謝らないのは非常識この上ない。

慌ててぺこぺこと頭を下げると、そこまで怒ってはいなかったのかすぐに許してくれた。

カ「さて、とりあえず、場所を替えますか」

先生がそう告げると、全員顔にハテナを浮かべて何をやるんだろうと思った。