月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ2)

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序章2 ページ2

篝「そんな所で突っ立っていたら死にますよ！！」
貴「もう・・・、もういいのじゃ。この国はもう・・・」

パシンッ

子気味良い音が立ったのと同時に、頬がチリチリとひりつく感覚がする。

叩かれた部分を掌で覆いながら呆然と眼前で憤る従者を見つめた。

篝「貴女様が、一国の主がそんなんでどうする！！」
篝「この国は、貴女様が生きている限り終わりなどしません！！大勢の国民の死を貴女様は無駄にする気か！！！」

貴「！！っ無駄になどさせぬ！」

篝「ならば生きるのです！！我らが全員死んだとしても、泥水を啜りながら背屈ばろうと、何としてでも生き抜いてください！」

貴「っ！！！」

篝「君さえ生きていてくれれば、俺はそれだけで幸せだ・・・」

そう言って儚く微笑むと、素早く陣を組み始めた。

篝「必ず、生き残ってくれよ」

篝「秘術・転送人身！」

貴「篝待てっ！そなたを置いてはっ・・・！」

必死に伸ばした手は空を切る。

最後まで言い切ることは叶わずに視界が暗闇に覆われていった。

次に目を覚ましたそこには、既に燃える城も人の亡骸もない夜の静かな森だけが広がっていて。

ああ、私は皆を置いていってしまったんだと深く実感した。

貴「あ、ああ」

声にならない声が喉から掠れでる。

これでもかと開いた瞳からは涙が幾つも零れ落ちた。

貴「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」