Together (ページ11)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,104 hit

11 ページ11

リリーside

最低限の荷物を持ってドアノブに手を掛ける。
出る直前後ろのAに手を差し出すとしっかり握り返された。手を繋いで、背中に名前を隠すような形でドアを開け近くに何もいないことを確認して歩き出した。

無駄な戦いを避ける為木の影、車の影を利用し静かに移動していく。

時間を確認するためにスマホを見ると13時45分頃だった。それに、不在着信がめちゃくちゃに溜まってた。周りにゾンビが居ないのを確認しかけ直す。

プルルル、プルルル

リリー「…なんや」

盛山「なんやって！おい！！どんだけ心配したと思ってんねんっ！」「何回掛けても繋がらんからし、死んだんかと思ったやろっ…！」

リリー「今何処おるん？」

盛山「〇〇病院や。今一次的に避難所になってるから病院の敷地内は感染者取り敢えず居らんよ。着く頃にまた連絡してくれれば病院の人に言っといてやるから裏口から入れると思う。お前今何処なん？」

リリー「Aの家からちょっと行ったとこ」

盛山「そこの家からだと歩いて20分ぐらいやんな。彼女迎えに行ったんか？」

リリー「当たり前やろ…、多分20分じゃ着かん…病院の人に14時30前後って伝えといて…っ！」

盛山「随分かかるな…お前、怪我してんのか？声何かいつもとちゃうぞ。無事に来れるか？」

リリー「…また後でな」

はぁー、質問に答えず電話を切る。怪我を指摘されたことでまた傷口が疼き始めた気がする。