またね、の続き<K.N>

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｢へー、じゃあコロナの時は経営大変だったんだな｣


｢従業員に給料全額払ってたし、緊急事態宣言の時は先が見えなくてメンタルやられたよ｣


｢立派になったな、お前も｣


｢あのさ、一応風磨に関しては3つも下なんだからさっきから私の事お前呼ばわりすんのやめてよ｣


｢いいじゃん、俺らの仲だろ｣




何が俺らの仲だろ、だよ

会ったのなんて3回くらいだし、あの時は色々やってくれたけど、連絡先も交換したことないじゃん



｢あ、あれ飾ってくれてんの｣


風磨が指をさしている先には、彼らのデビュー曲のCD

10年前、風磨が私を握手会に呼び出すために家まで届けに来てくれた、全員のサインが入っているもの




｢まあ、思い出だからね｣




あれから、彼らはどんどん有名になった

出す曲全てがオリコンチャートで1位を取り

今年の初めに健人が主演を務めたドラマが大ヒットし、社会現象となった

そのドラマの主題歌だった彼らの歌は、今年最も売れた楽曲で

彼らは10周年を迎えて、順調に国民的アイドルへの階段を登っている




｢風磨こそ、立派になったね｣


｢そりゃどーも

有難いことに忙しくさせてもらってます｣




何とも言えないドヤ顔が鼻につくけど、10年前は彼らがこんなに人気になるなんて考えてもなかった


嬉しいけど、どこか複雑な気持ち

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