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健人に寝室まで運んでもらってなんとか風磨を寝かせることが出来た
「はー、疲れた」
大きく伸びをする健人に、さぞかし大変だったのだろうと同情する
「久しぶりだね」
「あ、うん、久しぶり」
前会った時みたいな会話をしてしまって、目が合ってお互いに笑ってしまう
「なんかデジャブだね」
そう言って目を細めて笑う健人に、10年前の姿が重なる
ドキンと高鳴る胸を抑えながらそうだねと返す
「お茶でも飲む?」
「そうしよっかな」
ダイニングテーブルに健人を案内して、お茶を出す
私も健人の前に座って、熱いお茶をごくんと喉に通した
「あつ、」
「大丈夫?火傷してない?」
健人が席を立って駆け寄ってくるから、思わず大丈夫!と大きな声で返してしまう
ハッとした様子で席に戻って、落ち着きながらお茶を飲む姿は絵になっていて
10年前とは違うかっこよさに見惚れてしまう
「そんなに見ないでよ、恥ずかしい」
微笑みながらそんなことを言うから、落ち着いた様子の健人に成長を感じる
「大きくなったね、」
「はは、なにそれ
Aちゃんこそ、綺麗になったね」
"綺麗"という言葉にまた胸がドキンと高鳴る
「いやいや、もうおばさんだよ
30になっちゃったし」
「全然おばさんじゃないよ?」
お世辞はいいよ、と言おうと健人の目を見れば
真っ直ぐな目で私を見つめていて
「本当に綺麗だよ、Aちゃんは」
その言葉に、健人の目から視線を外せなかった
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あちゃん(プロフ) - natsuさん» そんなこと言っていただけて嬉しい限りです!ありがとうございます! (2021年1月8日 7時) (レス) id: d0017b4288 (このIDを非表示/違反報告)
natsu(プロフ) - ふまけん推しにはたまらないです!!! (2021年1月8日 2時) (レス) id: 4884eda99b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年1月6日 4時