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依然として、トラックは人気のない道路を走っている。オレたちが走る一般道よりも車線が幅広いバイパス道である。
オレたちの車も、ようやく奴らのトラックと横並びになったところだ。と言っても当たり前ながら高低差はあるのだが。
そして、オレも依然として彼女の足を支えているわけで
「…今のオレはただの土台…今のオレはただの土台……」
「何ぶつくさ言ってんだよ諸伏…」
なんとか意識を保つために詠唱している。もちろん、班長の呆れた声は耳に届いていない。
トラックは内側の車線を走っており、全貌を拝むことは出来ない。
「…まずは車線を変えなければ当たらなそうだ」
Aちゃんは拳銃の引き金に指をかけた。
「狙うは運転手さんじゃあなくて」
そして、緊張を微塵も感じられない姿で笑い、引き金を引いた。
ぱん、と乾いた音が辺りに響いた。
そのすぐ後に、上りと下りの道路の間に並んだ街灯のひとつが砕ける音がした。
恐らくガラスの破片でも降ってきたのだろう。運転手はハンドルを切り、トラックをこちら側へ面した車線へと切り替えてきた。
こちらから見える助手席の犯人は、街灯を気にするように後ろを振り返るが、下の道路から狙われるなんて思いつかないのだろう。こちらには気が付かないようだ。
「器物破損。犯罪だぞ」
「やむを得ない。だから大丈夫だ」
「いや、何も大丈夫じゃないぞ。どこから出た？その自信は」
そう言うゼロに対して、頭が固いだなんだーと悪態をつく彼女。だが、興味はゼロではなくトラックにあるようで、また銃口をトラックに向けて腕に力を入れる。
「お巡りさん達の前で罪を重ねるのはワクワクするなあ」
そして、彼女は標準を調節するようにさらに身を乗り出し、再び引き金を引いた。
窓を開けているため風を切る音しか聞こえなかった辺りに、劈くような乾いた音が響く。
(一体どこに撃った？)
しばらく経っても変化が現れない。オレはトラックを確認するように、視界を覆うAちゃんを少しずらして確認する。
「降谷、今すぐバイパスに乗ってくれ。あと12秒後、トラックは徐々に減速していって24秒後に停止する」
「ああ、任せろ」
ゼロは固定していたハンドルを動かし、バイパスに乗るべく入り口を目指した。
Aちゃんはひと仕事終えたためにふう、と息をつき、ようやく後部座席の床に足をつけた。
暫くぶりに地に足をつけたためか、少しよろめいた彼女の細い腰を支えた。
「…ああ、申し訳ない」
ゆっくりとシートに身体を沈める彼女は、少し気恥しそうに謝った。
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あまちー(プロフ) - いずみさん» ありがとうございます！キャラの濃い夢主ちゃん、かあいいですよね (2022年12月15日 5時) (
レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
いずみ - 夢主好き (2022年11月13日 19時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
あまちー(プロフ) - 莉久さん» うわー😭嬉しいお言葉ありがとうございます！感情移入しにくい夢主かなって少し後悔してたんですけど、そう言っていただけると励みになります🙇♂️ご期待に添えるよう更新頑張ります💪 (2022年8月25日 16時) (レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - めっちゃくちゃ面白くて、つい一気読みしちゃいました！夢主ちゃんの性格が大好きです！この事件がどう解決されるのか、恋愛は発展するのか……楽しみです！更新頑張ってください！！！ (2022年8月24日 13時) (レス) @page5 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまちー | 作成日時：2022年8月21日 22時
