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降谷side

「来たわね本番!」

きたる11月7日当日。本日は萩原の命日(予定日)だ。

もちろん、爆発が起きる前に現場にへと到着した僕たちは、マンションの外で集まっている。

「Aちゃん楽しそうだね」

ヒロが笑いかける先に居るAは、楽しそうに準備運動を進めている。

Aはヒロの問いに、さも当たり前のようにもちろんと答えた。

「…楽しむのは構わねえけど、随分とまあ気合が入ってんな…」

班長がそう言うのも無理はない。Aは動きやすい服装にランニングシューズと、いかにも全速力で捕らえますって感じの服装なのだ。

「こんなのもあるぞ」

Aは、珍しく持ち歩いているウエストポーチから何かを取り出した。黒色で手に持てるサイズ。よくドラマや映画で…というか今現在もよく見るやつ。

「いざと言う時はコイツでパーンってな」

「おい班長、ヒロ。こいつを銃刀法違反で逮捕だ」

拳銃だ。拳銃にしては軽そうではあるが、それは拳銃の形をしている。

「待て待て!嘘!嘘ではないけど嘘だから!
これはエアガンだから問題ない!」

「問題しかないぞ」

普通、警察の前でそんな堂々とエアガン出すか?いくら法に触れないとはいえ、少しは警戒するもんじゃないのか?

「買ったはいいが、中々使う機会がなくてな。今日初めて使うんだ」

「初めてだよ。こうやって人に恐怖を覚えたのは」

Aは楽しそうにそのエアガンを素早く構えている。

「こらAちゃん。たとえエアガンでも人に向けちゃだーめ」

だが、すぐにヒロに銃先を掴まれて取り上げられてしまったようだ。適わないと思ったのか、素直にすまないと謝っている。

「にしても、いざとなるとやっぱり緊張するもんだな」

そう言う班長の額には汗が流れている。
かく言う僕も緊張しているのだろう。背中を伝う冷たい汗が気持ち悪い。

「我々が緊張することはないさ。
我々は犯人確保にだけ集中すればいい。爆弾はプロに任せよう」

もうすっかりエアガンは諦めたのか、Aはこちらへ振り返ってそう言った。

「萩原と松田なら大丈夫だろ。そんな気がする」

こいつが言うならおそらく間違いないんだろう。安心したおかげか、少し緊張がほぐれた気がする。

「…そろそろだ。3分54秒後、爆弾のタイマーが一旦止まる。
そしてその後に松田と合流。我々は20分22秒後にこの道路を通る犯人2人を捉えるぞ」

Aの言葉に、全員が静かに頷いた。

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あまちー(プロフ) - いずみさん» ありがとうございます!キャラの濃い夢主ちゃん、かあいいですよね (2022年12月15日 5時) (レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
いずみ - 夢主好き (2022年11月13日 19時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
あまちー(プロフ) - 莉久さん» うわー😭嬉しいお言葉ありがとうございます!感情移入しにくい夢主かなって少し後悔してたんですけど、そう言っていただけると励みになります🙇‍♂️ご期待に添えるよう更新頑張ります💪 (2022年8月25日 16時) (レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - めっちゃくちゃ面白くて、つい一気読みしちゃいました!夢主ちゃんの性格が大好きです!この事件がどう解決されるのか、恋愛は発展するのか……楽しみです!更新頑張ってください!!! (2022年8月24日 13時) (レス) @page5 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまちー | 作成日時:2022年8月21日 22時

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