ギュッとして！ ２

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川西サイド



Aちゃんへのプレゼントが入った紙袋を片手に、水田くんに見送られ、ママのお店まで歩いて行った。



だんだん近づいていくのに比例して、緊張してくる。



店の前で深呼吸をしてからドアに手をかけた。



『カランコロン♪』



「あっ、やっと来た。Aちゃーん！」



「はーい！」



奥からAちゃんが顔を出す。



やっぱ可愛ええなぁ…なんて思いながら、Aちゃんの隣に腰かけた。



「ごめんなあ、待った？」



「だいぶ待ちましたけど、私がはやく来すぎただけなので」



「そっか。でも待たせてごめんなあ」



「いえいえ、」



「ママ〜！生お願い！」



「りょーかい！」



ママが小走りで店の中を動き回っている。



今日はすっごい繁盛してるなぁ。



ママも一人で大変やわ。



「あっ、川西さんに報告しときたいことがあります！」



「おっ、珍しいなぁ。なになに？」



「私、結婚することになりました！」



…ん？



意味を理解するのにしばしの時間がかかる。



もう少し詳しく説明して欲しくてAちゃんの顔をまじまじと見ると、急に笑い出した。



「ハハハッ、ハハハハッ！」



「ん…？」



どういうこと？



「冗談です、冗談」



Aちゃんが笑いをこらえながらそんなことを言うもんやから、驚いた。



「Aちゃんって冗談言う子なんや…」



「言いますよぉ、私そんなに真面目じゃないので」



けどよかった。嘘で。



Aちゃんが他の男と結婚する事になったら、耐えられへんわ。



「ほんとはね、無事に職に就けたということを、報告したかったんです」



「…よ、よかったなあ。はやく見つかって」



「はい！キャバクラで働く事になったんです！」



「…これもまた嘘やろ！」



「冗談でーす」



もうやめてえやぁ…

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