ギュッとして！

６ ページ6

「あの後、大丈夫でしたか？」



私を助けてくれた賢ちゃん？が椅子を引きながら、心配そうに聞いてきた。



「はい、おかげさまで…ありがとうございまし『ガン！』



深く頭を下げすぎて、顔面をカウンターに強打。



「大丈夫ですか？」



「ハハッ、大丈夫です」



私はしっかりしてると言われることが多いが、こういう風にどこか抜けている。



ちょっとおでこ痛い…



「すみません…」



すっごい恥ずかしい。



「そんな気にせんといてください」



そう言われても…



「あっ、僕川西って言います」



へえ、川西さんっていうんだ。



「私は相楽です。川西さん、昨日は本当に、ありがとうございました」



今度は頭をぶつけないように、ゆっくりと頭を下げた。



「どういたしまして。」



緊張がほぐれて、場が和んだ気がする。頭ぶつけてよかったかも。



「…川西さん、今日は飲みましょう！」



「おう！そうこなくっちゃ！ママ〜、生１つ！」



「私レモンチューハイお願いします！」



「オーケー！」



久しぶりになんだか楽しくなりそうな予感。

７→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す