奥手？【ミホーク】4 ページ7
『私とは"ごっこ遊び"だって事？』
ﾐﾎ｢そうは言っていない｣
『そんな風に聞こえた』
ﾐﾎ｢…｣
『…最低』
Aの言葉を受け止めたのかは分からないが、
ミホークは口を閉じた。
『…馬鹿みたい。私だけ悩んで』
ﾐﾎ｢…何の話だ｣
『嫌い。大っ嫌い。
ミホークの馬鹿。ばーか』
ﾐﾎ｢…言いたい事があるなら言え｣
『ふん』
完全にいじけてしまったA。
ミホークはギュッと抱き締める。
ﾐﾎ｢…すまない。言い過ぎた…かもしれん｣
『そこはハッキリ、謝れ』
完全には非を認めないミホーク。
変わらない姿勢に、Aの頬が思わず緩む。
ﾐﾎ｢お前もだA。
俺が居ながら他の男とそう長々と話すな｣
『…それって、嫉妬？』
ﾐﾎ｢…｣
黙った。
恐らく、嫉妬で間違いないだろう。
『…それは…ごめん』
ﾐﾎ｢謝るなら
どうやら、ミホークはまだ怒っている様だ。
始めに怒らせたのはAの方。
好きな相手がそんな事をしていたら、
誰でも怒るだろう。
それは、Aだって同じである。
『…相談に乗って貰ってただけ』
ﾐﾎ｢…何のだ｣
『それは…』
ﾐﾎ｢何故、言えない｣
どうしても、口篭るA。
『ミホークが…手を…出してくれないから』
ﾐﾎ｢…｣
『私に…魅力が無いじゃないかって…
それで、ベックマンに相談してただけ』
ミホークの抱き締める力が強まる。
『力！力、強いわよ！』
ﾐﾎ｢…そんな事を他の男に言ったのか？｣
『だって、他に話せる人居ないし…』
ﾐﾎ｢俺に聞かなければ、分かるまい｣
『それはそうだけど…言える訳ないじゃん』
Aの耳が真っ赤に染まる。
ﾐﾎ｢…A｣
『…っ！な、何？』
名前を呼ばれたかと思うと、耳に優しくキスをされる。
ﾐﾎ｢お前がいいのならば、俺はもう我慢などしない｣
『…私はずっと心の準備は出来てたもん』
ﾐﾎ｢ﾌｯ…そうか。遠慮はしなくていいと｣
『…程々に』
ミホークが首元にキスをする。
ﾐﾎ｢城に帰るのが楽しみだな｣
『…や、優しくしてね？』
ﾐﾎ｢どうだか。
俺は散々我慢してきたからな｣
やっぱり言わなければ良かったと、
Aは心の中で少しだけ後悔した。
だが、この後、
めちゃくちゃ優しくされた事は言うまでも無い＿＿＿＿
【完】
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