棘の女王。

正直者の罪 ページ13

ママ「さくら？！ちょっと待ちなさいっ！！」


そんなママの声も聞かず、私は何十メートルか先の健人の家に駆け込んだ。



ドンドンドンドンｯ

さくら「健人！！健人！！健人！！」



しばらくすると鍵を外す音が聞こえる。



健人「ったく誰だよこんな夜遅くに……
ってさくら？！どうしたんだよ！！」



ドアが開いた瞬間に健人に抱きついた私。
涙が止まらない。

健人「とりあえず、家入ろ。ね？」


健人に抱きかかえられるように家に入った。


・


・


健人「で、さくら。急にどうしたんだよ。」


ママには連絡してくれた健人。暫くはここに入れるだろうね。

まあこれ飲めよって渡されたココアを飲みながら話し始めた。



さくら「……あのね、パパが浮気してたの。」

健人「え？」


ココアを飲んでた健人の手が止まる。


さくら「しかもね、相手の女の人、妊娠させたんだって。」

健人「は？」

さくら「だ、から、ママと離婚するの……」





言い終わると、明らかに怒ってる健人。




健人「なんだよそれ……さくらはホントにそれでいいのかよ！！」

さくら「いいも何も仕方ないじゃない！！私が口出せる事じゃないんだから！！」

健人「じゃあ、さくらの夢はどうするんだよ！！」



その瞬間、私の動きが止まった。



さくら「私の……夢？」

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