823話です ページ7
《第三者視線》
「おいツナ!!しっかりしろ!!ツナーーーー!!」
ユキを連れシモンファミリーの後ろ姿が遠ざかっていく。追いかけることもできず、くっと悔しそうに顔を歪める9代目は片腕をおさえていた。
ツナに掛かっていた圧力が消え、壊れたボンゴレリング共に落下し地面に叩きつけられるツナにディーノの呼びかける声が木霊した。
最後の最後で炎真に一押しとばかりに圧をかけられたのだ。先ほどよりも強い圧力を。様々な臓器が圧迫され、色々と限界を迎えていたツナは一瞬にして意識が掻っ攫われたのである。
そんな、と誰かが言葉を零す。しーんと静まり返る会場の中、遥弥はクソっと彼らしくもない言葉を吐き捨て目の前の障壁に拳を打ちあてた。
ダン!と氷の障壁に少しヒビが入る。どれほど強く打ち付けたのだろうか、打ち付けたところは赤く染まっていた。
そこで何も出来ずにやきもきしていたヴァリアーやディーノがハッとし目の前の障壁に攻撃し始める。頑丈だった氷の障壁に少しずつヒビが入っていき、最終的に砕け散った。
「おい。しっかりしろ!!」
「タンカを急げ!!」
「怪我人多数だ!!」
9代目の部下達の指示が飛ぶ中、遥弥が真っ先に向かったのは気絶しているツナの側…にいるリボーンの下だった。リボーンは粉々に砕けた大空のボンゴレリングを手に取っている。
「リボーン……」
遥弥の言いたいことが分かったのだろう。リボーンは「謝罪ならいらないゾ」とボルサリーノのツバを下げる。
「今回はオレの判断ミスだからな。シモンファミリーを侮っていたオレの責任だぞ」
「リボーン、それは違うよ。もしもの事態に備えていなかった俺にも非がある」
「……リルか?」
「それもある。けど一番の理由は……」
遥弥が何か言いかけた……その時だった。意識が戻ったらしいヒバリに駆け寄るディーノが視界に入ったのは。
膝をついてふらつきながらも立ち上がるヒバリは大丈夫かと心配そうに声をかけるディーノに「寄らないで」と制する。
「平気だよ。プライド以外はね」
頭から血を流しながらもヒバリは悔しそうに奥歯を噛みしめる。その瞳には怒りと悔しさの炎が宿っていた。
「……恭弥兄さん」
「何」
ギロリとヒバリは遥弥を睨む。しかし遥弥は「何でもない」と目をそらした。流石に気が立っている彼にちょっかいをかけるほどバカではない。
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時