877話です ページ31
『ん?それは一回戦目のこと?それとも、二回戦目?」
「どちらもです」
当然だ。私はどちらも見ていないのだから。ティナさんは人差し指を立て一回戦目は……と話し始めた。
『了君と紅葉君』
「……って笹川先輩ですか?」
『そうそう。んで二回戦目はランボ君とらうじ君だよ』
中指も立てピースをつくるティナさん。……って今ランボと聞こえたような気がするが気のせいだろうか。
『残念ながら気のせいじゃないんだなぁ、これが!!』
「い、いやちやいや。ランボは5歳児ですよ。相手は中学生です。体格的にも勝てるわけが……」
「……って思うでしょ?」
勝てるわけがない。と言おうとした唇にそっと人差し指を添えにひっとティナさん。
『彼の武器は角やリングだけじゃない。他にも持ってるはずだよ。こんぐらいの武器』
ティナさんは両手を使ってランボの持つ武器の長さを示す。大きさ的に言えばバズーカだ……ん?バズーカ?
「まさか10年バズーカで、10年後のランボと入れ替わった……とかじゃ」
『あったりー!!さっすがユキちゃん、冴えてるぅ!!』
「アリガトウゴザイマス」
時々ティナさんのノリが綾を彷彿とする気がする。返事が片言になったのは仕方ないと思う。
「……それで、大人ランボ。ちゃんと勝てたんですよね?」
『うん、ちゃんと勝利を収めたよ。やっぱランボのキーパーソンはツナ君だねぇ』
「……ツナが…」
『うん。それでものすごーく言いづらいんだけど……』
「……笹川先輩のことですか?」
『そう。試合に負けた人は復讐者に連れて行かれるんだ。そして永遠に幽閉される』
「……っ!??」
永遠に……幽閉!?
「そ、そんな……何故…あ、でも笹川先輩は引き分けだって言ってましたよね?」
「……うん。でも引き分けの場合は両者とも連れて行かれるみたいでね……了君は……」
「っ、そんな……」
負けたわけでもないのに連れて行かれるなんて……
俯く私にティナさんはそっと私の背中を撫でる。
『ごめんね。本当は言わないつもりだったんだ。知ったらユキちゃん、ショック受けると思ったから。でもユキちゃんは知る権利あるし、言った方がいいかなって思って』
「いいえ。大丈夫です。むしろ教えてくれてありがとうございます、ティナさん」
『うんっ』
「……次の試合、大丈夫でしょうか」
『大丈夫だよ。何せツナ君達だから。ユキちゃんは信じて彼のことを待っていればいい』
「……はい」
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時