818話 ページ2
……初代シモンボス、シモン=コザァートの血、“罪”。
それをかけられたシモンリングがどれほどの力を彼らに与えるのか、ボンゴレの面々は知らないのだ。
……少なくとも、オリジナルとはいえあくまでただのボンゴレリングが、
ボンゴレギアになっていない時点で勝負は見えている。
「遥弥さん? どうかしたんですか?」
「……流石にボンゴレの守護者全員を、俺じゃ止められないしね」
「は?」
『私が出ては、もっと大きな問題になりそうです』
遥弥は頷く____確かにリルならば力づくでボンゴレの守護者全員を止めることが可能だろう。
……が、それはつまり、シモンファミリーだけでなくもれなくボンゴレ側、ひいては賓客のほとんどを氷漬けにしてしまうことになる。
(そうなったらまた姉さんも恭弥兄さんもうるさいだろうし、ボンゴレにとっては前代未聞の大問題だし)
考えれば考えるほど面倒なことになるのが目に見えている。
手だし無用、ということなら傍観を決めさせてもらおう……恨みを長年募らせていたというのなら、
ここでボンゴレの守護者全員と10代目を殺して去っていくということもあるまい。
……正直に言って、仲直りの未来がほぼ透けて見えている戦いに興味なんてない。
山本があんな傷さえ負っていなければ、一瞬で逃げていたところだ。
(だから来るの、断ったのに……本当にめんどくさい。
それに、この隙をついてまたチャイニーズマフィアが攻めてきたりしたら、さらに大騒ぎだよ。
面倒だけど、情報は集めておいたほうがいいか……当時のことを知ってるだろうし、師匠に聞くのが手っ取り早いだろうね。
……ワオ、そう考えると本当に大迷惑だな、シモンファミリー)
「あっ……!」
……イラついてきたところで、ユキが心配げな声を上げた。
何かと思えば、いきなり高重力をかけられたらしい雲雀、獄寺、了平、クロームが立ち上がったところだった。
よろよろとよろけて、初撃だというのに既に満身創痍な守護者の面々だが、何とか立ち上がっている。
その怪我の、どこがなんてことないのか聞きたいものだ。後でまた大わらわだろう。
「どうしましょう、遥弥さん……! 古里さん1人に手も足も……!」
「氷の壁から前に出ようとしないで。君は非戦闘員なんだ。死ぬよ」
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時