九十〇話 忍者 ページ45
「「「『……』」」」
あれから10分後。
未だに自分でカンペキだと思っていた作戦が手玉に取られた事のショックから立ち直れていない私は、縄で丸太に縛り付けれた体制で呆然と虚空を見つめていた。
そう。"丸太に縛り付けられた体制"で。
?…ん?縄?
ゆっくりと視線を下にすると、腰辺りに手首と一緒に縄がグルリと縛られている。
…え?
『………えええぇぇええええええええッッ!?』
「!?っうお!!Aネーチャン急にどうしたんだってばよっ!?」
隣から聞こえてきたナルト君の声に、『どうしたもこうしたも!!なんか縛られて……』と視線を向けた時だった。
『え、ナルト君も縛られてんじゃん。』
なんと横に、自分と同じく丸太に縛られているナルト君が目に入った。
…ん?私が落ち込んでる間に何があった?
「Aさん今更何言ってるんですか?さっき演習が一旦終了してこれから昼食タイムなんですよ…」
首を傾げている私を心配したのか、サクラちゃんが状況を説明してくれた。
なるほど。確かに私達の前には弁当が置いてあるけど…何故昼食タイムに丸太に縛り付けられ無ければいけないんだ。
しかもナルト君と私だけ。そして弁当は二つ。
謎だ。謎過ぎる。
と、その時。
ぐるるるるるっと言う音と共に盛大に腹の虫が鳴った。
そうだ、朝食抜いたんだっけ。早く弁当食べてぇ…
と、空腹を抑えながら弁当を見つめていた時。どこからともなく、カカシさんが現れた。
「おーおー、腹の虫が鳴ってるねぇ。君達。ところで、この演習についてだが…」
相変わらず呑気な声でそう言いながら、ポケットに手を突っ込むカカシさん。
「ま!お前等は忍者アカデミーに戻る必要も無いな。」
「「!」」
「フン…」
カカシさんの言葉に、演習で疲れ切っていた皆の表情が明るくなる。
でも……
何か妙な笑顔してんな、師匠。
皆が紅潮している中、私はジッとカカシさんを見る。
この2次元オタクA様の見解からすれば、少年漫画ならこんなに事は上手く進まないハズなんだけど……
「じゃあさ!じゃあさ!って事は4人とも…」
「…そう、4人とも……」
『…』
ドキドキと高鳴る心臓を抑えながら、自分の見解が当たらない様にと祈る。
しかし次の言葉は、予想通りに期待を裏切った答えだった。
「忍者を……やめろ!」
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キイラギ(プロフ) - 白銀月さん» コメント有り難う御座います!!いつも亀更新で申し訳ないです(汗)近々更新する予定なので引き続き宜しくお願いします! (2020年1月22日 21時) (レス) id: 722466c014 (このIDを非表示/違反報告)
白銀月(プロフ) - 更新待ってました!!これからも頑張って下さい(*´∀`*) (2020年1月7日 7時) (レス) id: 3a9bdddb3f (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 鶴さん» 応援ありがとうございます!!頑張ります! (2019年6月7日 20時) (レス) id: 65879db91d (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - こちらこそ、ありがとうございます!応援しています! (2019年5月12日 22時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 鶴さん» コメント有り難う御座います!最近更新が遅くなってきてますが、気軽に読んで下さったら幸いです! (2019年5月12日 20時) (レス) id: 65879db91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キイラギ | 作成日時:2019年1月2日 22時