少女は銀色狐の夢を見る【NARUTO】〈2章〉

八十七話　秘策 ページ42

『っしゃ成功！』


バチチチッと音をたててカカシさん目掛けて跳ね返った手裏剣を見て、私は『うしっ』と小さくガッツポーズをした。

最初に六枚の手裏剣の中に一つだけ雷の性質のチャクラを纏わせ、回転を速くさせる。
勘の良いカカシさんの事だから、念のため触れたりして物理的に跳ね返す様なことはしないハズ。
そうして木に刺さった雷の性質を纏った手裏剣に向かって、もう一枚雷の性質を纏った手裏剣を投げる……

まだ性質変化の修行は未熟だし、電気力も静電気程度のか弱さだ。
でも、電気を纏った物同志が接触すれば……


電力が数倍の威力で跳ね返る！！


スパッ

「！」


綺麗な音を立てて手裏剣が鈴の糸を切った。
ぶら下がる物が無くなった鈴が、行き場を無くしてチリンッと音を立て空中に舞う。

今だ！！

すかさずブウウゥゥンと言う音と共に足にチャクラを溜めた私は、そのまま勢い良く鈴目掛けて地面を蹴った。

精一杯伸ばしている手の数センチ先には、銀の鈴。
あと少し…！！


と、その時だった。


「甘いな」
『！！』


急に目の前をクナイがかすった。
その先には当然鈴が有るわけで…

キンッ

そのまま鈴にクナイの先が当たり、鈴が軌道を変えて反対方向にぶっ飛んでった。
その先にいたカカシさんが、飛んできた鈴をパシッとキャッチする。

突然の出来事に、呆然と立ち尽くした。


「ふぅ…お前にしてはなかなかの作戦だった。危うく鈴取られるところだったぞ。」
『…うそ、取れなかった……』


もう一度手裏剣を使おうとしたが、もう忍具ポーチに手裏剣が無いことに気が付いた。
くそぉッッ、あと少しだったのに……
と、ギリッと歯を食い縛った…と、その時。


『…あ』


思い出した。



まだ、私に最終兵器が残っていたことを。

八十八話　兵器(サスケside)→←八十六話　電気(カカシside)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す