六十三話 火影 ページ18
『つ…着いた…着いたぞ……』
ゼイゼイと息を切らしながら、でっかく“ラーメン一楽”と書かれた暖簾の前に立った私。
あとちょっとだから…頑張れ！リー君！
息を整えながら、暖簾をくぐった私。
…と、その時。
「んでよ！先代のどの火影をも越えてやるんだ！！！」
『！』
突然した声に目をやると、そこにはナルト君の姿が。
隣には、この前見た後頭部に髪を束ねている男性も座っている。
「おう！らっしゃい！…って、この前のねーちゃんじゃねーか！」
『あ、ご無沙汰してます！』
茹で上がった麺をスープに入れながらそう言ったテウチさんに、一礼した。
…と、そこで私が入って来た事に気が付いたのか、ナルト君が「Aネーチャン！」と目を丸くさせる。
「Aねーちゃん？…ナルト、知り合いか？」
後頭部を束ねた男性が、眉を潜めてナルト君にそう聞いた。
「この人ってば、オレのダチだってばよ！」
「ダチ…？」
『こ、こんばんは〜』
明らかに私を怪しんでいる男性に、苦笑いをしながら会釈をした。
12歳の少年のダチが19歳の女って、そりゃあ怪しまれて仕方ないか…
「この人ってば、オレのアカデミーの先生！イルカ先生って言うんだってばよ！」
『イルカ先生…』
「イルカ先生！このネーチャンってば、Aネーチャンって言うんだってばよ！」
「A…さんか。」
呟くように私の名前を言ったイルカ先生は、「ナルトの教師をしているイルカです。宜しくお願いします。」と、改まって礼をしてきた。
どうやら、怪しい人では無いと判断してくれたみたいだ。
『こちらこそ宜しくお願いします！』
「…あのー、初対面で失礼かもしれませんが……」
『？』
何やら言いにくそうにそう言ったイルカ先生に、首をかしげる。
「その…背負っている子供はどうされたんですか？」
『え？』
背負ってる子供？
『………あああぁぁぁーーっ！！！リー君っ！！！！』
自分が、お腹を空かして餓死しそうな勢いのリー君を背負っているのを忘れていた。
『ヤバイヤバイヤバイッッ！！！
テウチさんっ！！大急ぎでラーメン一杯！大盛りでッッ！！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キイラギ(プロフ) - 白銀月さん» コメント有り難う御座います！！いつも亀更新で申し訳ないです(汗)近々更新する予定なので引き続き宜しくお願いします！ (2020年1月22日 21時) (
レス) id: 722466c014 (このIDを非表示/違反報告)
白銀月(プロフ) - 更新待ってました！！これからも頑張って下さい(*´∀｀*) (2020年1月7日 7時) (レス) id: 3a9bdddb3f (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 鶴さん» 応援ありがとうございます！！頑張ります！ (2019年6月7日 20時) (レス) id: 65879db91d (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - こちらこそ、ありがとうございます！応援しています！ (2019年5月12日 22時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 鶴さん» コメント有り難う御座います！最近更新が遅くなってきてますが、気軽に読んで下さったら幸いです！ (2019年5月12日 20時) (レス) id: 65879db91d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キイラギ | 作成日時：2019年1月2日 22時
