四十六話 行こう ページ49
うーん…ナルト君、出ないな。
何か出てくる方法があったら…
と、そこで思い出したのはガイさんが訪問してきた時の事。
確か、あの時ガイさんがドアを蹴り破るとか言ってきて、慌てて出たんだよな。私。
…やってみる価値はあるか。
『こうなったら私がドア蹴り破るぞ〜?』
我ながら下手クソな演技でそう言った。
…ナルト君無反応っ!!
「…ネーチャンは、オレのこと嫌いにならないのか?」
前言撤回。反応ありましたー!
ガイさん、ありがとー!
『えっと、嫌いになるって?』
「…さっきのばーちゃんの話聞いたんだろ。オレってば、“バケモノ”なんだって。里の皆は、そう言ってオレの事いつもけなしてくるってばよ。」
『…』
ドア越しで話しているから、ナルト君の姿は見えない。
でもその声は震えていて、何故か聞いていてギュッと心が締めつけられる感覚になる。
「ネーチャンも、本当はオレの事嫌いなんじゃ」
『そんな事ない!!』
「!」
『まだ君とはあったばっかだけど、私はナルト君のこと好きだよ!…実は、友達にナルト君のファンの子がいてね、』
「…オレの、ファン?」
嘘ではない。
私のクラスメイトに、しょっちゅううずまきナルトの話をしてくるヤツがいたのだ。
『そう。今は遠いところにいるから会えないけど、私がナルト君にあったって言ったら死ぬほど羨ましがられるだろうな…』
「…」
『とにかく皆が皆、ナルト君が嫌いな訳じゃない。ナルト君の事が好きな人だって沢山いるんだよ!』
「…オレのことが、好きな人?」
『そ!…ラーメン屋の店主さんもその一人!』
「おっちゃん…
本当はオレってばラーメン屋に今すぐ行きたいんだ。でも金無いし、迷惑かかるし…もう行かないって決めたんだってばよ…」
『あー!!もう!回りくどいなっ!行きたい時は行くっ!私がお金払ってあげるからっ!』
「…おっちゃん、嫌がんないかな」
『嫌がる所か、歓迎してくれるって!』
「…」
ガチャッと音がして、おどおどとナルト君が出てきた。
ったく、弱虫って言うか何て言うか…可愛いから許すけどさっ!
ナルト君の手を取り、ラーメン屋へと踏み出した私だった。
*
「へい!らっしゃい!…って、ナルトじゃねえか!」
「豚骨ラーメン、ナルトトッピングでお願いしますってばよ!」
『君は遠慮と言う言葉を覚えようか』
どうやら彼が里の英雄と呼ばれる日は、まだまだ先の話の様だ…。
道は、まだまだ長い。
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キイラギ - 良い話と言って貰えて嬉しいです!リクエストは少し先の事になってしまうかも知れませんが、この話を完結出来るようバンバン投稿するつもりので、暇潰し程度にでも見てくれれば幸いです! (2018年12月22日 22時) (レス) id: c044f0b226 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 良い話です!最新とミリアさんのリクエスト頑張って下さいね! (2018年12月22日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 応援有り難うございます!頑張りますね! (2018年12月22日 19時) (レス) id: c044f0b226 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 楽しみに待っていますね!頑張って下さいね! (2018年12月22日 18時) (レス) id: a3eeffbc62 (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - コメントありがとうございます!たくっちのまぃ、調べさせていただきました。この小説に区切りがついたら、丁度他のキャラとNARUTOのキャラを絡ませる恋愛短編を書いてみたいと思っていた所なので、その時に書いてみたいと思います! (2018年12月22日 13時) (レス) id: 9e16dfbd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キイラギ | 作成日時:2018年12月9日 22時