八百四十話目 「海賊の手は借りたくないらしい」 ページ44
無言でグラスを突っ返せば奴はそれを受け取りながらじとーっと凝視して来た。
「なんだ」
『いや、グラスを取り上げるあたりなんというかしっかりしてますよね。もしそのままぶん殴って零れでもしてたら激おこでしたよ』
「ハッ、言われなくても分かっているからそうしたんだろうが」
『は？』
「なんでもいいから話を聞け………何を呆けている」
『……いや、なんでもないっす』
照れ臭そうに笑う奴に首を傾げながら同じ話をもう一度なぞった。
『ちゃっかりしてんな長官……俺は別に構いませんよ』
ターゲットが偶々滞在してっから始末しろって……いや、いいけど。
最後の一口を口の中に放り込んで咀嚼する。カフェオレも腹の中におさめてから「ごちそうさまです」と手を合わせた。
『ドレスローザで最後ですし。今のところ海軍本部に急いで戻る理由もないんで』
「そうか。……場合によっては手伝わせるが」
『今更でしょ。下手したらドフラミンゴに一枚噛ませた方が早いかもしれませんし』
「……」
トレーをもって立ち上がる。
眉間に皺を寄せているルッチさんに思わず噴き出した。
『ぶっ……あからさまに機嫌急降下しないでください怖いですよ』
「わかってて言っただろ」
『……バレました？』
何か言われる前に「トレー下げてきまーす」と言い残して部屋を出た。
戻った時が怖いが、出来心でいじってしまったのだ。お許し願いたい。
あの後自室に戻ったら電伝虫でカクと連絡を取っていたらしいルッチさんに拳骨された。
あと数秒早く帰ってくればカクと喋れたが、ドアを開けたタイミングで受話器を置いてたから仕方ない。流れるように拳が落ちてきたし。
『っつー……分かってたけど理不尽』
「ふざけるな。正当な暴力だ」
『ぐぬぅ』
言い返せないので押し黙れば何を勘違いしたのか呆れた顔をしつつルッチさんが頭を撫でてきた。拗ねたとでも思ったのだろう。そうじゃないが悪い気はしないので放置しておく。
数回俺の頭を撫でたルッチさんは自分の少ない荷物の中から本を取り出すと、ソファに腰を降ろしてその横をポンポンと手で叩いた。
『……へいへい』
俺も本を適当に選んで言われた通りに左隣に腰を降ろす。
本を開いて文字を追っかけていればまた頭を撫でられ始めた。目線だけで隣を見れば器用に片手で文庫本を開いて読んでいるルッチさん。読みにくくないのだろうか。
まあ、せっかく機嫌よさそうだしいいか。何か言ってまた急降下されても困る。
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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