八百二十六話目 「ドクターーーーーストォォォップ」 ページ30
暫く言葉を交わしていたが、段々と返事が減って行き、寝息を立て始めた。
少し腕の力を抜いて覗き見れば、すよすよと寝息を立てている。なんとなく顔にかかっていた横髪を避けてやっていれば、その手にスリ、と頬を寄せてきた。
「ネコかお前は」
いや、ネコ科は俺だったな。
寄せてきた頬を数回撫でてやれば若干口角を上げた気がするもんだから小さく笑った。
もう少し俺も寝るかと温い身体を抱きしめる。きゅっとシャツの胸元を掴まれる感覚に再び笑って目を閉じた。
「却下。まだそこのネコちゃんは完治してない」
『……ですってよ』
「知るか」
翌朝……というかもう直ぐ正午になるって時に漸く目を覚ました。二人してどんだけ寝てるんだとツッコミを入れようとしたが、隣のルッチさんはまだ睡眠中だったので黙っておいたら……はい、午後一時〜。
ルッチさんも起きて、動けそうだという事で我らがドクターに話したらコレ。ぬうん。
『因みに、あと何日なんですか？』
「五日はかかる」
『五日……』
「………大人しくしとくんだよ。今日の薬だ。白いヤツは一回二錠ずつで朝昼晩。痛みがぶり返したら青いカプセルを飲みな」
ぽいっと渡された薬の袋。俺に向かって投げられたので必然的に俺がキャッチした。
くれぐれも寝とくんだよと釘を刺されて階下へ姿を消したドクトリーヌにため息を漏らす。
とりあえず、朝の分をルッチさんに……と思って袋の紐を解いたが………。
『………これって』
「………バレているな」
『原因はルッチさんがそっぽ向いてたからですかね』
「何を言っている。お前の演技が下手だからだろう」
どう考えても「今日の分」ではない薬の量と、さっきのくれはの言い方から鑑みるにそういうことだろう。お互いに責任を転嫁してから小さく笑った。
碌でもない患者達で本当に申し訳ありません。
とりあえず白い錠剤を二錠取り出す。受け取ったルッチさんはひょいっと口の中に放り込み、水なしでそのままゴクリと嚥下した。
「………あれっ！？」
そーっと階段から二階へ続く穴から顔を出したチョッパーだったが、お目当ての姿が見当たらないことに声を上げる。
慌てながら彼女が寝ていたはずのベッドに近寄れば、サイドテーブルに書置きが一枚。
―勝手に出て行ってすんません。ありがとうございました。
世話になった。−
「……行っちゃったのか」
チョッパーの視線の先にはこの部屋唯一の窓。
ぴっちり閉まってはいたが、鍵は開いたままだった。
八百二十七話目 「猫は気まぐれ」→←八百二十五話目 「死ぬほど嫌なら断って」
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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