八百話目 「閑話休題 3」 ページ3
「あ、A」
『あ、スモーカー』
本当に偶々である。
CP9の任務が早々に終わり、帰りの船まで時間が余ってしまった。
ブルーノと一緒に来ているが、彼は彼で少し野暮用があるらしく、どうせなら買い物でも楽しんで来いと言われた。日頃のストレスフルな毎日を組んでの男前発言に俺は二つ返事で了承し、お礼を再三述べた。
そしてブラブラと銀を肩に乗っけて活気ある商店街をうろうろしていれば、見たことある強面を発見。向こうもほぼ同時に俺を発見した模様で、冒頭のセリフというわけだ。
『なにしてんだ？』
「テメェこそ」
『俺は任務。まあ、終わったから船の時間まで自由行動なんだけどな』
お前は？と聞けばなんとも苦い顔をして「仕事だ」と一言。
またくだらない仕事か、自分が気に食わない奴と組まされたのか、内容が気に食わないのか知らないが、詮索するなと言った空気を感じ取ったので「へぇ」くらいのリアクションにとどめておいた。
『あ、暇なら一緒にブラブラしねえ？』
「……少しならな」
『やりぃ！』
じゃ、なんか甘いもの奢ってくれと冗談めかして言えば真顔でデコピンされた。
普通に痛かったぞコノヤロウ。涙目で訴えれば、漸く笑ってくれたのでホッとした。
『あー、楽しかった』
「そりゃよかった」
夕暮れ時。ブラブラして、そろそろ時間だと言うとなんだかんだ港まで送ってくれたスモーカー。こういうところサラっとカッコいいんだよなあと思いつつ夕日に照らされる横顔を眺める。暫く見ていれば気づいたのか顔をこちらに向け、視線が交わる。なんとなく笑うと、スモーカーも表情を緩めて頭をポンポンとしてきた。
『お前は俺の彼氏か』
「こんなのがか？」
『おう』
「もっといい物件探せ」
『あーい、了解でーす』
「普通に傷つくぞ」
『それは失礼』
「思ってねえだろ」
『思ってるわ。思ってるから傷心中のスモーカー君をハグしてやろう』
「それはテメェがしたいだけだろうが」
呆れたように目を伏せながらも、「おら」と腕を広げてくれるのがスモーカーという男である。わーいと子供っぽく抱き着けば受け止めてくれた。
『ありがとな、スモーカー』
「気にするな………お前なんかあったか？」
トーンを落として聞いてきたスモーカーにピクリと肩が跳ねた。
これじゃ肯定してるのと同意義だわ、と誤魔化すのも諦める。
『………目敏すぎる』
「お褒めにお預かりどうも」
迎えの船が来るまで、スモーカーは静かに背中を撫でてくれた。
八百一話目 「閑話休題 4」→←七百九十九話目 「閑話休題 2」
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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