八百十二話目 「ポエマー的なことになった」 ページ16
バンチから降りて海軍船に戻ってきたが、出航にはしばらく時間がある。しばらくどころか丸一日だ。本当はカジノで遊ぼうかなとか思ってたけど、ロビンちゃんのことを覚えばンなことできるわけもない。
銀を異次元から出して肩に乗せ、暇を潰すためにも近くの砂浜に来た。
『……砂浜っつっても砂浜以外も砂しかねえけどな』
持ってきていた野菜を銀に食べさせながら、ごつごつした岩に座り海を眺める。
シケっていたのはロビンちゃんがいた島なのだろう。こっちは晴天だ。夕日が水平線に落ちていく。
『危機感を持て……ねえ』
危機感もクソも……全員ぶっ飛ばすし。
とか言い訳が効かないのを今日初めて知った。
過去の忌まわしい記憶。あれらのきっかけもそういう歪んだ欲望だった。
恋愛をしようと思わなかったわけでもなく、興味がなかったわけでもない……いや、漠然と避けていた。そういうモノを好まなかった。
恋愛ドラマも、そういう漫画も興味ないふりをして遠ざけていた……のかもしれない。こればっかりは俺にもわからない。
『ま、自分のことは何でもわかってると思ったら大間違いってことだな』
俺なんかわかんねーことだらけだわ。
偶々近くにあった小石をぶん投げた。ぽちゃん。海に吸い込まれていったそれを静かに見届ける。
太陽も水平線に沈んでいった。あの太陽はまた朝になれば勝手に昇る。だが、俺が投げた小石は二度と海水から顔を覗かせることはない。誰かが、引きあげてくれない限りは。
『なーんてね。ポエマーかよ』
自嘲気味に笑って海面を眺める。
やっぱり小石は沈んだままだった。
日が沈んでしまうと急激に冷え込んできたため、慌てて船内に戻った。
俺にあてがわれている部屋のドアをそぅっと開けると中は無人。安心したような、してないような。
『顔、合わせずらいんだよなあ』
「誰とだ」
『のわっ！！』
合わせずらい顔が振り返るとめっさ近くにあった。
のけぞった俺を押しのけるようにして部屋の中に入るルッチさん。ソファに座るとじろっと睨んできた。
「……閉めろ」
『う、うっす』
低い声で言われれば従うしかないでしょうよ。
後ろ手にドアを閉めるも、その場に突っ立っとくしか選択肢がない。下手に何かしら動いて機嫌を損ねられても困る。レインディナーズから連れ出す時も何も言わずに引っ張ってきたし、バンチの中でも無言、降りてからも無言の三拍子。何を言われるかわかったもんじゃない。
「……来い」
よ、呼ばれた。
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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