七百九十八話目 「閑話休題 1」 ページ1
ふぁ……と欠伸を一つ。
白ひげ海賊団の母船、モビーディック号に乗っかって既に三日。
偶々俺の向かっている道中で停泊しているとの旨を聞いたので、折角ならと羽休めに宿を貸してもらっている。それなりの対価を渡すとオヤジに言ったら豪快に笑い飛ばされた。娘がンな気ィ使うもんじゃねえとの事。
しかし何かしらやらないと俺の心の中がモヤっとさんで一杯になっちゃうので、今夜の見張りをハルタと代わった。なんか体調悪いと今朝言っていたのでちょうどいいだろう。
満点の星空が広がる頭上。果てなく続く水平線。静かに絶え間なく聞こえる波音……。
メインマストの見張り台。その手摺に肘をついて、頬杖もつく。ほぅ……と吐いたため息も夜の空気に混ざって消えた。
『俺、メインマストの上やっぱ好きだな』
「そりゃぁ、バカは高いところが好きだろい？」
『バカとはなんだバカとは』
振り返れば両腕を青く輝かせたマルコが笑っていた。そういえば夕方くらいに船を出ていたな、なんて思い出す。確か偵察っつってたけど……今帰ってきたのか。ちょっと拗ねたような顔をしていれば、炎を消した右手でわしゃわしゃと頭を撫でられた。マルコにこれをされるのは嫌いじゃないので大人しくされるがまま。
「見張りかい？」
『ああ。何もしないってのもアレで、ハルタに代わってもらった』
「ハルタか……確かに今朝は顔色悪かったねい」
『そんなとこ。一番隊隊長様もこんな時間までご苦労様でーす』
「思ってねえだろ」
冗談めかして労うと額を小突かれた。わざとらしくリアクションすればクツクツとマルコも笑う。出会ったばかりの頃は無表情が通常の真顔野郎だと思っていたが、実際の彼はそうではなく、よく笑うし、悪い顔もしている。サッチに冗談でキレる時はめちゃめちゃ怖いけど、子供みたいに笑ってるから楽しんでんだなあと……サッチには悪いけど和んじゃうよね。
「どうした？」
『へへ、なんでもねえ』
「……そうかい」
またわしゃわしゃと頭を撫でられた。
嫌いじゃない……というか割と好きなマルコの大きな手。目を瞑って再びされるがままになっていれば、マルコが小さく笑う声が聞こえた。ゆっくり目を開ければ、やっぱり穏やかに笑っている。
『マルコ、炎出して』
「ん？」
『で、ぎゅってして』
「今日は甘えたな気分かよい」
『うっせー』
拗ねたように言えば、困った顔で腕を引かれる。
ぎゅっと抱きしめてきた腕はキラキラ青くて、とても綺麗だった。
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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