八百十九話目 「意識を飛ばせど意地は捨てず」 ページ23
ルッチさんの意識が無くて助かった。
不死鳥の姿になった状態でルッチさんを背中に括りつけてもらいながら思う。意識あったら絶対ぶつぶつ言われている。縛り付けてる状況にも、俺が仕事放り出してこんなことをしようとしていることも。………不幸中の幸いなのかな。はは。
俺の見える位置にはドラム王国を指すエターナルポースを付けてもらった。
「……大将、本当に行くのですか」
『ああ。軍艦はレインディナーズで待機しててくれ。終わったら俺も向かう』
「了解」
『どっちに転んでも……四日後までに、連絡する』
ばさりと羽を広げて甲板を蹴る。
全力で飛べば、船よりも数倍早く着くだろう。針が示す方へと全力で飛び出した。
――ドラム王国。
今日も今日とて吹雪の中、Dr.くれはが根城としている大木の切り株を改築した根城のドアがけたたましく開かれた。
「ドクトリーヌ！！」
「なんだいチョッパー、騒々しいね」
「光る鳥が降ってきたんだ！ぐったりしてて……助けてあげられねえかな！！」
「光る鳥ィ……？また雪に交じって大仰なモンが降ってきたね」
根城から歩いて数分。
確かに、吹雪の中に赤く光る鳥が丸くなっている。
その様子に隣の青鼻のトナカイが声を上げた。
「あれっ？男がいない！」
「男？」
「この鳥、降ってきたときは背中に男を背負ってたんだ。黒い服の」
「……？まあいい、様子を見ようかね」
ザクザクと躊躇いもなく近づいていく彼女に、少し脅えながらも続く青鼻。
目の前まで歩み寄り、彼女が手を伸ばしかけた瞬間に赤い光が強くなり、くれはの腕を掴んだ。その腕は人間のもので、突然のことに揃って目を見開く。
『い、しゃ………を……』
「………ラッキーだね。あたしは医者だ、それもとびっきり」
『よか……った。この人……を、助け………』
完全に人の形になった「元」光る鳥の女はそこまで口にするとパタリと倒れた。
片腕に抱かれているのは、黒い服を着た男。
「……チョッパー、治療だよ。運んどいで」
「わかった！」
青鼻のトナカイは自分の姿形を変えて彼女と男を持ち上げた。
意識を失っても尚、彼女の腕はしっかりと男を抱きしめていた。
目を覚ます。
見覚えのない景色だ。海軍船の室内ではない。視線だけを動かしあたりを確認したが、窓も今の態勢からは見えず、分かるのは梯子に繋がる穴が床に開いていることぐらい。ここは二階か三階か……どうやら下にもフロアがあるらしい。
八百二十話目 「どこまでもバカ」→←八百十八話目 「耐え性がないのはいつものことで」
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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