六百六十二話目 「素直じゃない二人」 ページ7
一分間ほど抱きしめて俺の恰好を褒めちぎったカクからようやく解放された。
ミニスカートはとんでもなく恥ずかしかったし、似合ってる気がしなかったし、というかデートに行くという時点で穴があったら入りたいレベルだったけど、なんか大丈夫な気がしてきた。
「A、行こうかのう」
『ああ！』
差し出された左手を右手で取った。
ニコリと笑いながら握られた手にカクから視線を逸らすと、照れんでいいと笑われた。
お見通しってわけですか、勘弁してつかあさい。
「………おい」
「なんじゃルッチ、羨ましいのか？」
「そんなわけあるかバカヤロウ」
さっきまで黙っていたルッチさんがめっちゃ低い声を出してきた。
俺がビックゥと肩を跳ね上げさせたのに対し、カクは煽っていくスタイルだ。どんな根性だよ見習いたい。
「A」
『はっ、はい』
「……見えてるぞ」
『へっ！？』
「冗談だ」
そのままスタスタと歩いて行ったルッチさん。
いっ、一体全体なんだっていうんだ。ちなみに、慌てて確認したけど見える丈じゃないよ！！大丈夫だよ！！！くそったれ！！！！
廊下を進み、突き当りを曲がったところにカリファがいた。
どうやら先ほどの流れを見ていたらしい。
「ごめんなさいねルッチ、見るつもりはなかったのよ。カクがAとデート行くってはしゃいでたから、可愛い妹分の服でも選んであげようかと思っただけ」
「あの恰好、お前の趣味か？」
「行こうとしたらあなたとの会話が始まってたんじゃない」
どうやらあの服装は自分で選んだものらしい。
普段のあのバカの様子から到底想像はできない。膝上10センチどころかスカートというものを持っていること自体が驚きだ。
「……似合うって言ってあげればよかったじゃない」
「なんの話だ」
「私が見た限り、すごく似合ってたわ。可愛かったし」
普段とのギャップもあってよかったわねと零すカリファをギロリと睨む。それに全く臆することなくさらに言葉を続けるものだから、つくづくこの女は厄介だ。
「天邪鬼は大変ね。彼女、ショック受けてないといいけど」
「無用な心配だろう」
「結局のところ、おいしいところはカクが全部持って行ったわ」
「…………」
最後の台詞には無視を決め込んで、目的の場所へと歩き出す。
俺の背後でカリファが何かを言っていたようだが、聞き取れなかった。
「フフッ、あなたたち二人とも、素直じゃないんだから」
六百六十三話目 「おしゃれな雑貨屋さんにて」→←六百六十一話目 「洋服の大問題」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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