六百七十八話目 「割り切ることができている」 ページ23
『本当ならどんな理由があっても殺しちゃだめなんだよなあ……自分でもよく割り切れてると思うわ』
既に向こうの世界で事故であっても手を汚していたからかもしれない。心が痛むことはあれど、迷うことはない。それでもやっぱり心地が良いものではないことは確かだ。
だから……暴れたいなんて俺がいること自体が気味が悪い。そんなのまともじゃない。そうなってしまったら本当に化け物だ。
『………考えるのやーめた！』
今はまだ、抑えられる。今後のんびり考えればいい。一朝一夕で解決策が出るなんてありえないのだ。とりあえず、クロコダイルの考えでも採用しとくか。まあ、死んだやつが悪いとまではちょっと無理があるけど。
暴走列車にだけはならないようにしようと心に決めて、目をつぶった。
廊下を歩いていれば、ジャブラとカクが話し込んでいた。二人とも珍しく難しい顔をしており不審に思ったところでカクに気づかれる。ちょいちょいと手招きされた。
「ルッチ、ちょっと聞きたいことがあるんじゃが」
「ちょっといいか？」
「なんだ。野良犬まで珍しい」
「Aのことなんじゃが」
また何かやらかしたのだろうかと眉を顰める。肩の上の相棒は名前を聞くなり寂しそうに鳴いた。ここ最近遊べていないからであろう。
「おぬし、Aが殺しをした後の表情を見たことあるかのう？」
「は？」
「じゃから、Aが人を殺すときの顔じゃよ」
「すました顔して任務やってやがるだろ？」
「……いまだにアイツが人を殺すところを見ていない」
「「はぁ！？」」
二人ともに素っ頓狂な声をあげられたが、驚いているのはむしろこちらだ。
任務には何度か一緒に行っているが、あいつが人を殺すところを見たことはほぼない。
乱闘になっても向かってくる敵を蹴散らすだけで、実際に殺していたのは全部俺だ。
「てっきり人は殺せないとかぬかす偽善者だと思っていたが」
「いやいや、Aは基本容赦ないぜ。仕事もはえーしよ」
「……あのバカ、俺の時はサボってやがるのか？」
「それは無いじゃろ。根は真面目じゃ」
「ならば何故俺と一緒の時は何もしない」
二人して黙ってしまった。
俺も思い当たることはないので同じようなものだが。暫くしてカクが口を開いた。
「ルッチがあんまりにも殺しをしたいような顔をしとるからじゃないか？」
「ハッ、あながち外れてねえかもな。化け猫に気ィつかってんだろ」
「クルッポー」
ハットリにまで肯定された。
六百七十九話目 「サボりかサボりじゃないか」→←六百七十七話目 「神回避で避けてください」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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